1人2役に挑んだ吉岡里帆が異なる魅力を漂わす…『九龍ジェネリックロマンス』新規場面写真
「恋は雨上がりのように」の眉月じゅんの最新漫画を実写映画化した『九龍ジェネリックロマンス』(8月29日公開)。本作の新規場面写真が解禁となった。
過去の記憶がない鯨井令子と誰にも明かせない過去を持つ工藤発の恋を描く本作。両者の距離が近づくほど深まっていく謎。その真相にたどり着く時、2人は究極の選択を迫られる。物語の舞台となる美しくも妖しい街“九龍”を再現するため、全編真夏の台湾ロケを敢行。ノスタルジーにあふれる世界で、せつないミステリーと極上のラブロマンスが展開されていく。
『正体』(24)で第48回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した吉岡里帆が令子、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(23)で第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した水上恒司が工藤を演じてW主演を果たす。さらに、巨大製薬会社の社長、蛇沼みゆき役の竜星涼、喫茶店「金魚茶館」の店員タオ・グエン役の柳俊太郎、靴屋の店主で令子の親友になる楊明を演じる乃木坂46の梅澤美波、九龍のあらゆる店でアルバイトをしている小黒役の花瀬琴音、蛇沼と行動を共にし、九龍の街を調べるユウロン役のフィガロ・ツェンと豪華俳優陣が集結した。
本作で鯨井令子を演じるにあたり、髪を20cmカットして役作りに挑んだ吉岡。公開されたキャラクタービジュアルでもSNSやネットニュースで大きな反響を呼び、その大胆なイメージチェンジが話題を集めていた。
このたび新たに解禁された場面カットでは、紫のチャイナ服を纏い、鏡越しにピアスを見つめる令子の静かな横顔や、水上演じる工藤から贈られた金魚を見つめながら、恋心を募らせるせつない表情が印象的に捉えられている。さらに、工藤の婚約者でありながら、令子と瓜二つの姿をした“もうひとりの鯨井令子=鯨井B”の場面カットも公開に。工藤の視線を奪い、どこか意味深に微笑むその姿は、幼く可憐さを兼ね備えた令子とは違う妖艶さを纏っている。
令子と、彼女にそっくりな工藤のかつての恋人=鯨井B、2役を繊細に演じ分けた吉岡は撮影を振り返り、「令子は不確かな存在ですが、1人の生きている人間として実在することを信じてその場で生まれる本当の感情を大切にしながら撮影に挑みました」とコメントする。また、吉岡と撮影を共にした池田千尋監督も「私の伝える言葉を柔軟に理解し、全身で飛び込んでくれる。自分をさらけ出せる強さをもった俳優だと感じた」とその表現力を称賛し、吉岡の魅力を語っている。
瓜二つの姿をしたもう1人の自分の存在と令子はどう向き合うのか。そして2人の女性の間で揺れ動く工藤が選ぶ結末とは。ノスタルジーあふれる世界とせつないミステリー、そして極上のラブロマンスに満ちた『九龍ジェネリックロマンス』に注目してほしい。
文/平尾嘉浩
※柳俊太郎の「柳」は木へんに夘が、小黒の「黒」は旧字体が正式表記