• 映画TOP
  • 映画ニュース・読みもの
  • 逆火
  • 北村有起哉「モヤモヤもひっくるめて楽しめる」映画『逆火』初日舞台挨拶で魅力をアピール!内田英治監督はキャスティングの重要性を名言を引用し解説
北村有起哉「モヤモヤもひっくるめて楽しめる」映画『逆火』初日舞台挨拶で魅力をアピール!内田英治監督はキャスティングの重要性を名言を引用し解説

北村有起哉「モヤモヤもひっくるめて楽しめる」映画『逆火』初日舞台挨拶で魅力をアピール!内田英治監督はキャスティングの重要性を名言を引用し解説

映画『逆火』(公開中)の初日舞台挨拶が7月11日、テアトル新宿にて開催され、北村有起哉、円井わん、岩崎う大(かもめんたる)、 内田英治監督が登壇した。

【写真を見る】共演シーンの撮影では「和やかトーク」で盛り上がったという北村有起哉と円井わん
【写真を見る】共演シーンの撮影では「和やかトーク」で盛り上がったという北村有起哉と円井わん

本作は、新作映画の現場を任された助監督が、原作となる「実話」と謳われた感動ストーリーに疑念を抱き、真実を追求していくサスペンス。疑惑の真相に迫るうちに自身の日常も崩壊し翻弄されていく、目の離せない展開が描かれる。主演の北村が映画監督を夢見る助監督の野島に扮し、自伝的小説で成功したARISAを円井、名声を気にする映画監督を岩崎が演じている。

本作を観た後には「モヤモヤが残る…」と語った北村と円井。映画を観た後には、家に帰るまで「モヤモヤも含めて、いろいろなことを引きずりながら、すべてひっくるめて余韻として、後味として楽しんでもらえる作品だと思っています」と本作ならではの楽しみ方に触れた北村。どこかモヤモヤする結末も含めて、「(野島を演じた)僕がすべて悪いと思っています」とお詫びをし、観客を笑わせていた。

映画監督を夢見る助監督の野島役の北村有起哉
映画監督を夢見る助監督の野島役の北村有起哉

北村が演じる助監督の野島は、仕事ではうまくやっているのに、家庭はうまくいっていないというキャラクターだ。「仕事では意地になって『僕がやりたいことをやるんだ!』と自己暗示をかけてどんどん沼にハマっていくタイプ」と野島のキャラクターを解説した北村は、「家庭がうまく行っていれば、こんな頑なな暴走はしなかったのかなと思っています」と分析していた。印象に残っているのは岩崎演じる監督とぶつかるシーンだそうで「一騎打ちです。野島は基本的に誰とでも一騎打ち(笑)」と、野島のタイプを指摘。一騎打ちになるものの「大体打ちのめされちゃう…」としょんぼり。「爆発できないんですよね…」と気持ちに寄り添いながらも、「最後はスカッとしました!」と気持ちが爆発!と言わんばかりになにかを踏んづけているシーンを再現する場面もあった。

自伝的小説で成功したARISA役の円井わん
自伝的小説で成功したARISA役の円井わん

円井が北村との共演シーンで印象に残っているのは「海辺でのシーン」とのこと。「リラックスできるシーン」と北村が振り返ると、円井は「家族の話とかをしてすごく和やかでした」と思い出しながら笑みを浮かべていた。岩崎が演じた映画監督について円井は「こういう人いるよねって感じ」とニヤニヤ。続けて「う大さんが演じている役のすべてに『いる…』って思っていました」と映画監督あるあるを感じていたことを明かす。円井のこの発言に内田監督は「映画監督は変な奴が多いから…」とニヤリとしたが、「誰か具体的なモデルがいたのか?」との質問には「具体的な方はいません」とキッパリ。しかしこういうタイプの人はいるとも話し、参考になった存在がいることをほのめかすような話ぶりだった。

野島との一騎打ちシーンが印象的だったという映画監督役の岩崎う大(かもめんたる)
野島との一騎打ちシーンが印象的だったという映画監督役の岩崎う大(かもめんたる)

内田監督の現場に慣れている円井は「他の現場に行くと、カット数の多さに驚く」とコメント。カット数が少ないのは、イメージ通りの芝居をしてくれるキャスティングをしていることも大きな理由だと話した内田監督。「シドニー・ルメット監督の言葉に、キャスティングで演出の8割は終わっているというのがあって…」との内田監督のフレーズが気に入った様子の岩崎は、リピート鑑賞時に注目してほしいのは野島と映画監督の一騎打ちシーンだとし「セッション、ジャズみたいなところを楽しんでほしいです」とスマートにおすすめ。さらに「演出の8割はキャスティングなので…」と得意げに語り、北村とのシーンはキャスティングの時点でほぼ完成していると、すました表情でおすすめ。一連のコメントで笑いを誘いつつも、鑑賞後の観客からは「同感!」と言った様子の拍手が湧き起こっていたのが印象的だった。

内田英治監督はキャスティングの重要性を解説!
内田英治監督はキャスティングの重要性を解説!

最後の挨拶で、この日舞台挨拶を行ったテアトル新宿について「10数年前に連日レイトショーでトークショーなどをやっていました」と振り返った内田監督。「あの頃はお金はないけれど、好きな役者と映画を撮るみたいなことをやっていて…」と懐かしそうに語り、「それが今回の映画でまたできて、形になりました」と笑顔。たくさんの人に観てほしいが宣伝費がないと暴露し、「みなさんのスマホを打つ手が宣伝になります。悪口でもいいので、一文書いていただいて、こういう小さい映画も応援してください」とリクエスト。映画が盛り上がれば「またこの三人と仕事ができるので」と再共演に力を込め、「応援をよろしくおねがいいたします!」と呼びかけ、笑いの絶えないほっこりムードの舞台挨拶を締めくくった。

フォトセッションの様子
フォトセッションの様子


取材・文/タナカシノブ

作品情報へ

関連作品