新たな“愛されキャラ”、『星つなぎのエリオ』グロードンのデザイン秘話!モチーフはシロイルカ×アシカ?
ディズニー&ピクサーの劇場最新作『星つなぎのエリオ』が8月1日(金)に公開される。ピクサーの原点『トイ・ストーリー』(95)の誕生から30年、様々なヒット作が登場してきたが、ピクサーが唯一無二の愛されキャラクターを生んできた秘訣を探るべく、本作の制作舞台裏に迫った。
宇宙が大好きな少年エリオは、一番の理解者だった両親を失い、寂しさを抱えていた。この広い世界のどこかには、きっと“本当の居場所”があるはず。そんな切ない願いが届き、エリオは星々の代表が集う夢のような“コミュニバース”に招かれる。そこで出会ったのは、同じように孤独なエイリアンの少年グロードンだった。「そのままの君が好きだよ」と心を通わせる2人の前に、“星々の世界”を揺るがす脅威が迫る。それを救うカギは、グロードンがエリオに打ち明けた“ある秘密”にあった。
名作『トイ・ストーリー』以降、おもちゃ(『トイ・ストーリー』)、ロボット(『ウォーリー』)、車(『カーズ』)など一見感情移入できなさそうなキャラクターを、素晴らしい想像力とアニメーションだからこそできる繊細な表現で描きだし、共感性抜群なとびきりの愛されキャラを数多く生みだしてきたピクサー。最新作となる本作で描くのは、地球から何光年も離れたカラフルで美しい“星々の世界”で出会うエイリアンたちだ。『リメンバー・ミー』(17)など様々なヒット作に携わり、本作のプロデューサーを務めたメアリー・アリス・ドラムは、「私たちには想像力や創造性があり、そこに限界はないので、様々なキャラクターを生みだすことができます。本作ではありとあらゆる姿形のエイリアンを描いています」と語る。
なかでも制作陣が特に力を入れて愛されキャラにしたいと考えていたのが、エリオと初めての友達になる孤独なエイリアンの少年、グロードンだ。「グロードンはアニメーションだからこそ、その感情や性格がとても繊細に表現されており、誰だって大好きになってしまうキャラクターになっています」と宣言。
戦いの星に生まれたグロードンは、たくましく強い父や周囲と違う気弱さに悩む心優しい少年で、エリオと出会ったことで初めて見た外の世界に無邪気に喜び、エリオと心を通わせ親友になっていく。プロダクションデザイナーのハーレイ・ジェサップは、グロードンの制作過程を振り返り「グロードンは、製作の初期から存在しました。普通、人はエイリアンを恐れ、逃げようとするものですよね。だけど私たちはグロードンを、優しくて可愛らしいものとして描きたかったのです。ちょっとキモいけど最高に可愛く見える、一番いいバランスを目指して作り上げ、記憶に残るキャラクターになりました」と自信を見せている。
また、VFXスーパーバイザーのクラウディア・チャン・サニは「見た目はシロイルカとアシカを掛け合わせたような感じです。体は丸くてもっちりしていて、すごく皮膚は厚くて、超愛らしくしました」と、プニプニしていて思わず抱きしめたくなるようなキュートなビジュアルを作り上げた裏側を明かしている。クリエイターたちがこだわりぬいた愛されキャラ、グロードンに注目してほしい。
ピクサーらしいイマジネーションあふれるカラフルな星々の世界が広がる本作。互いに孤独だった少年エリオとエイリアンの少年グロードンがつないだ友情と冒険の先に見つけた“大切なもの”とは?2人が結んだ“つながり”に、きっと優しい涙がこぼれるはず。笑って泣ける感動のファンタジーアドベンチャー『星つなぎのエリオ』をぜひ映画館でご覧いただきたい。
文/山崎伸子