『学校の怪談』から30年…上映会に平山秀幸監督、野村宏伸、奥寺佐渡子が集合!「同窓会をやってみたい」
「“花子さん”はシリーズを象徴するお化け」
ーーXに寄せられた質問からです。皆さんの好きなシーン、思い入れのあるシーンは?
野村「私はもう、お化けと対面して叫ぶシーンですね。1作目も2作目もあそこに懸けていましたので。リハーサルやカメラアングルを決めて、1回目か2回目でOKになったぐらい気合い入れて叫んでいました」
平山「ああいう悲鳴は、演技指導もなにもなく、おまかせというか『思いっきりやってください』とお願いするんです。なので最初にやった時に、撮ってるスタッフの人が『なんだこれは…』と呆然としていましたね(笑)。でもそれがポスターにもなるし、『学校の怪談』の顔になった。野村さんなりにかなり計算されていたのだと思います。2作目になった時に、それをどういうふうに上手に使うか考えたら、ろくろ首の岸田今日子さんがいたんですね。もうこのカットバックしかないと」
奥寺「私はたくさんありますが、特に印象深いのがインフェルノを最初に初号で観た時に、『こんなに怖くて大丈夫かな?』と」
平山「佐藤(正弘)さんじゃなくて作りもののほう?(笑)」
ーー続いて、皆さんの好きなお化けは?という質問も寄せられています。
野村「演じている時には、なにもない状態で撮影していたので、出来上がった時に『こういうお化けだったのか』となりましたね。やっぱり印象に残るのは、一番最初に私の後ろに出てきたテケテケですかね」
平山「僕は花子さんですね。1作目にも2作目にも出てきますが、絶対に顔を見せていない。それがいいと思っています。子役としても花子さんを演じるのはあまり気持ちのいいものではないと思いますし、正体がわからないのが一番お化けっぽいし怪談っぽい気がします」
奥寺「私も花子さんです。このシリーズを象徴する妖怪というかお化けですし。あと2作目の人面犬も好きです(笑)」
ーー口裂け女の保健室は、どのようなイメージで作られたのでしょう?
平山「口裂け女はヨーロッパのホラーっぽい造形にしています。とにかく日活の撮影所のなかで使えるセットが廊下一本と怪談と教室一個しかなかったんです。なので1階の廊下を歩いて階段を上って2階に来るシーンでは、その廊下は1階のものの作り直しなんです。3つしかないものを飾りを変えて作っていました。美術は本当にすばらしいと思いますし、僕自身も台本を現場に忘れて取りに帰ったことがあったのですが、ものすごく怖かったです(笑)」
ーークマヒゲさんがインフェルノになった理由についての設定を教えてください。
奥寺「やっぱり道徳に厳しいので、あるレベルを超えると…。ルールを守らせたい一心なんです(笑)」
ーー最後に、Blu-rayでの楽しみ方などメッセージをお願いします。
野村「Blu-rayになっていなかったこと自体知らなかったのですが、きっと映像も綺麗になることでしょう。子どもの頃にご覧になった方が、今度は親になってお子さんと一緒に観ることができる。代々続いていく映画で、いずれ私がいなくなっても引き継がれていくことを楽しみにしています」
奥寺「Blu-ray化、すごくうれしいことです。家で友だちとかたくさんの人とツッコミを入れながら楽しんで観てください!」
平山「自分が作った映画が30年経ってもう一度上映されること自体がうれしいことですし、Blu-rayとして残っていくこともとてもありがたいことです。それにこうやってイベントをやっていただけて…。『学校の怪談』シリーズは4作目までありますが、同窓会みたいなものをやってみたいという気がしました」
取材・文/久保田 和馬