来たる「アベンジャーズ」に備えよ!『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』ボーナス・コンテンツで深まるMCUの世界
ボーナス・コンテンツでこれまでの物語を復習!黒人がキャプテン・アメリカとなる苦悩とは
ここからはブルーレイのボーナス・コンテンツに絡めた紹介をしていこう。サムがキャプテン・アメリカとなるために葛藤する物語として、本作の前にディズニープラスで配信中のドラマシリーズ「ファルコン&ウインター・ソルジャー」があり、『ブレイブ・ニュー・ワールド』においても重要なポジションとなる、歴史から消された黒人キャプテン・アメリカのイザイア・ブラッドリー(カール・ランブリー)が初登場。サムとイザイアの関係を通して、黒人がキャプテン・アメリカとなるうえでの社会的な苦労や差別的な意見に触れられる社会派な要素が描かれており、本編を観るうえではそういった背景を知っていたほうがより理解を深められるだろう。
とはいえ、ドラマシリーズとMCUにおけるサムのこれまでの活躍を改めて振り返るのは、ちょっと手間がかかってしまうのも事実だ。そこで役立つのが、ブルーレイに収められたボーナス・コンテンツ「サム・ウィルソンの軌跡」。ここでは、サムの足跡と活躍の振り返りをスタッフやキャストのインタビューを交えて語られており、本作の理解を深めるための基礎知識を知ることができるようになっている。本編を観る前の導入、観直すための復習としてはピッタリだ。そして『ブレイブ・ニュー・ワールド』と重要なつながりを持つ、『インクレディブル・ハルク』(08)との関連性は、ボーナス・コンテンツ「敵役のキャスト」で解説しており、こちらでも本作への理解をしっかりと深めてくれるのだ。
画作りに込められた意図まで解説する、全MCUファン必見のオーディオコメンタリー
そして今回のボーナス・コンテンツで目玉となっているのが、ジュリアス・オナー監督とクレイマー・モーゲンソー撮影監督のオーディオコメンタリーだ。監督と撮影監督という珍しい組み合わせによって、ほかではなかなか聞くことができない「画面づくり、空間づくりのこだわり」が随所で明かされている。
そのこだわりの柱は「作り物じゃない感じを出したい」という想いと「政治的で偏執的な本物のスリラー」というテイストにあると、オナー監督は語っている。物語前半で展開する、誰を信頼していいのか判らない不安感は、1960年代から70年代に作られた「パラノイド・スリラー」的な雰囲気を目指したという。それを映像的に見せるために、デザイン性を排した無機質さを感じさせるこだわりが反映されていることが解説される。この“不穏”な映像の空気感は、映画本編からももちろん感じ取ることができるが、オーディオコメンタリーで詳細な画作りの意図を知ることで、「映像演出とはどう行われ、作られていくのか?」という作り手側の思考を深く理解することができるものとなっている。
キャラクターの心情表現やキャスティングに関しても、意図が語られており、黒人に対する人種差別や偏見を正面から捉える、映画監督のスパイク・リーとの関係や、黒人監督として黒人のキャプテン・アメリカを描く想いなどがひも解かれていく。一方で、ロスが姿を変えてしまうレッドハルクと桜の関係や、本編だけではわからないマニアックな撮影秘話も満載。シリーズファンならば見逃せないものとなっているのだ。
MCUの新章を切り開いたキャプテン・アメリカ。期待が高まる「アベンジャーズ」ではどうなる?
2026年には『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』、2027年には『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』と「アベンジャーズ」2作が公開されることも決定しているMCU。3月27日には『ドゥームズデイ』出演キャストを発表する配信が行われ、5時間半にもおよび異例の長さのなか、2億7500万回という脅威の再生数を記録するなど、全世界で期待が高まり続けている。
現在明らかになっている27名のキャストには、キャプテン・アメリカ役のアンソニー・マッキーはもちろん、アイアンマンことトニー・スターク役を演じてきたロバート・ダウニー・Jr.が、ヴィラン役のドクター・ドゥームとして復帰をはじめ、チャニング・テイタムがガンビット役を再演、かつて「X-MEN」シリーズに出演したキャストのMCU参戦などサプライズだらけ。一方で、ホークアイやスパイダーマンといったMCUおなじみのキャラクター、「X-MEN」の顔とも言えるウルヴァリン=ヒュー・ジャックマンといった名前はなく、今後のどのように関わってくるのか注目のポイントとなっている。
また“*ニュー・アベンジャーズ”となることが明かされた『サンダーボルツ*』(ブルーレイ+DVDセット、4K UHD+3D+ブルーレイセット/9月10日発売)や、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(7月25日公開)のキャラクターも出演が決まっており、いまやどの作品も今後のMCU、そして「アベンジャーズ」に大きな影響を及ぼしていくのだろう。
いずれにせよ来たる「アベンジャーズ」2作は、いままでの映画には類のない規模の作品となることは間違いないだろう。ぜひこの機会にパッケージを集めて、何度も作品を見返しボーナス・コンテンツで理解をより深めていきながら、さらなる大きな変化を迎えるMCUに期待していきたい。
文/石井誠
※サンダーボルツ*・*ニュー・アベンジャーズの「*」は、正式には「5本線のアスタリスク」。
商品内容:ブルーレイ 本編ディスク1枚、DVD 本編ディスク 1枚
発売中 価格:5,390円(税込)
■『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』4K UHD+3D+ブルーレイ セット
商品内容:4K UHD 本編ディスク1枚、ブルーレイ3D 本編ディスク1枚、ブルーレイ 本編ディスク1枚
発売中 価格:9,790円(税込)
<ボーナス・コンテンツ>
・サム・ウィルソンの軌跡
・敵役のキャスト
・NGシーン集
・未公開シーン
-大統領からの感謝
-極秘の任務
-大統領とイザイア
・ジュリアス・オナー(監督)とクレイマー・モーゲンソー(撮影監督)による音声解説
■『サンダーボルツ*』ブルーレイ+DVD セット
商品内容:ブルーレイ 本編ディスク1枚、DVD 本編ディスク 1枚
9月10日(水)発売 価格:5,390円(税込)
■『サンダーボルツ*』4K UHD+3D+ブルーレイ セット
商品内容:4K UHD 本編ディスク1枚、ブルーレイ3D 本編ディスク1枚、ブルーレイ 本編ディスク1枚
9月10日(水)発売 価格:9,790円(税込)
<ボーナス・コンテンツ>
・高層ビルからの降下
・チーム結成
・ボブ、セントリー、ヴォイドについて
・NGシーン集
・未公開シーン
-上がらないドア
-ゲイリー議員の感想
・ジェイク・シュライアー監督による音声解説
※ボーナス・コンテンツはブルーレイ本編ディスクに収録されています。
※4K UHD 本編ディスクには音声解説のみボーナス・コンテンツが収録されています。
発売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン
発売・販売元:ハピネット・メディアマーケティング