ベン・ウィショーが破天荒なアナーキストを演じる『リモノフ』公開決定!怪演が光る予告映像も
イタリア、フランス、スペイン合作映画『リモノフ』が9月5日(金)より公開されることが決定。あわせて、日本版ポスターと予告編が解禁となった。
「007」シリーズのQ役や『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(22)などハリウッド大作から個性派監督の作品まで出演し続ける演技派ベン・ウィショーが破天荒なアナーキスト、リモノフを熱演する本作。数々の文学賞を受賞しヨーロッパ中が興奮した傑作伝記小説を基にカンヌ国際映画祭コンペ常連監督で、『インフル病みのペトロフ家』(21)、『チャイコフスキーの妻』(22)など世界が注目するロシアのキリル・セレブレンニコフ監督(2022年ロシアから亡命)がメガホンをとる。リモノフの妻エレナを『戦争と女の顔』(19)で主人公の看護師を演じたヴィクトリア・ミロシニチェンコが演じ、トマス・アラナ、コッラード・インヴェルニッツィなど様々な国の実力派俳優が脇を固める。
セレブレンニコフ監督は「今日起こっているすべては、リモノフが書いたことに端を発している。彼は戦争を望み、ソビエト連邦の再来を望んだ。彼が夢見た世界に生きているような感じがするよ」とリモノフについてコメント。また、「ロシア政府は、彼やアレクサンドル・ドゥーギンの著作をそのまま実行に移しているのではないかと思うほどだ…。昨今の情勢を踏まえ、より一層この暴挙にいたった過程を探る必要性を痛感した。ロシアのファシズムがどこから来たのか、理解するためだ」と本作のメッセージを語った。
今回解禁されたポスターは、いくつもの顔をもつリモノフを演じたウィショーの「革命家」としての顔を切り取った写真を使用。詩人として、政治家として、時には富裕層の執事になったりシベリアの地で兵士として暮らしたり。そんな彼の”異色の経歴”をランダムにあしらい、革命家としてカリスマ的存在になった勢いある表情をとらえた画像を使用している。
加えて、予告編は彼の破天荒な人生をそのままスピード感ある映像に落とし込んでいる。自身のペンネームを「手榴弾」の意味がある「リモノフ」と決めるところからはじまり、「詩人で作家で反体制者、執事で兵士でホームレスで活動家で革命家」と1つのジャンルに染まらない自由さと謎を誘うナレーションで、実在の人物リモノフの生涯を知りたくなる60秒となっている。また恋人が言う「あなたは生まれながらの英雄」というセリフも納得の、様々な顔で魅せるウィショーの怪演を充分堪能できる予告にもなっている。
ウクライナに生まれ、ニューヨーク、パリを巡りシベリアの監獄へ。ファシストでも共産主義者でもリベラルでも保守派でもなく、しかしそれらすべてを内包し20世紀後半を駆けぬけたリモノフ。悪名高い実在の人物の物語をぜひ劇場で目撃してほしい。