キム・ゴウン&ノ・サンヒョンに直撃インタビュー!『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』で築いた特別な絆「撮影中のすべての瞬間が幸せでした」
「ジェヒという特別なキャラクターを作り出したキム・ゴウンは、やはり“キム・ゴウン”でした」(ノ・サンヒョン)
――ジェヒとフンスのテンポのよいやりとりをとても楽しく見ました。事前にリハーサルなどをなさったのでしょうか。ノ・サンヒョンさんは、普段はかなり口数が少ないそうですが。
ノ・サンヒョン「内向的ではあるんですけど、親しい人たちといるとふざけたりもするので、一度親しくなれば自然にそういう面が出ると思いました。だからあえてなにかをしようとは考えず、感じるままに演じました」
キム・ゴウン「キャスティングが終わってから撮影に入るまでかなり長い時間がありました。その間にいろいろ話して、キャラクターについてもより深く知ることができたし、お互いに親しくなる余裕がありました。だから、撮影に入った時には『もっと親しくならなくちゃ』と考える必要もなく、集中できる状態でした。クラブにもたくさん通ったし(笑)」
ノ・サンヒョン「ソウルの梨泰院にあるクラブはたぶん全部回ったんじゃないかな」
キム・ゴウン「クラブにはそれまであまり行ったことがなかったんですが、この映画の準備期間中に思い切り行けて、とてもいい経験をしました」
――撮影前に、イ・オニ監督から言われたことはありますか?
キム・ゴウン「セクシャル・マイノリティであるフンス、社会的にアウトサイダー気味のジェヒが主人公のこの映画を、演出者として『こう観てほしい』ではなく、観る人によって違う感じ方ができるものにしたいと考えていらしたのではないでしょうか。それと、見ていて気分がよくなるような映画にしたいというお気持ちも感じました。『音楽が本当にいいから、気分がよくなるよ』という話はよくされていました」
――事前の準備から撮影、公開までともに過ごしてきたお互いの印象を教えてください。
ノ・サンヒョン「キム・ゴウンはやはり“キム・ゴウン”でした。俳優として優れた能力があり、これまでもすばらしい演技を見せてきたので、今回もそうなるだろうという信頼がありました。多様で新しい人物を演じてきたキム・ゴウンさんが、ジェヒという特別なキャラクターを作り出したことに『やっぱり…』と思っています」
キム・ゴウン「ノ・サンヒョンさんが商業映画の初主演を非常に果敢にやり遂げたと思っています。また、それを周囲からも認められて称賛を受け、『新たな面が見られた』と評価されたこともうれしいです」
――「この人が相手役でよかったな」と思えた瞬間はありましたか?
ノ・サンヒョン「すべての瞬間です」
キム・ゴウン「私たちは、言葉なしでも相手がなにを考えているかがわかるような、本当に親しい関係を演じなければなりませんでした。それがうまくできたのは、コミュニケーションがきちんととれて、息も合っていたからだと思います。だから、撮影中のすべての瞬間が幸せでした」
取材・文/佐藤結