ロジャー・コーマンも映画化したエドガー・アラン・ポーの名作「赤死病の仮面」をA24がリメイク!『ANORA アノーラ』マイキー・マディソンが主演候補に
第97回アカデミー賞で作品賞など4部門に輝いた『ANORA アノーラ』(24)でオスカー女優の仲間入りを果たしたマイキー・マディソン。このたび彼女が、エドガー・アラン・ポーの短編小説「赤死病の仮面」を原作としたA24作品『The Masque of the Red Death』で主演を務める可能性があることがわかった。「The Hollywood Reporter」が報じている。
「赤い死の仮面」とも訳される小説「赤死病の仮面」は、ポーが1842年に発表したゴシック・ホラー作品。発症するとすぐに死に至る“赤死病”という疫病が蔓延した国で、城に閉じこもっていた王が友人たちを招いた仮面舞踏会を開く。するとそこに、死装束をまとった謎の人物が混ざり込み、舞踏会の参加者たちが次々と“赤死病”に倒れていくというストーリー。
過去には『アッシャー家の惨劇』(60)や『恐怖の振り子』(61)などのポー作品と同様、ロジャー・コーマン監督とヴィンセント・プライス主演で『赤死病の仮面』(64)のタイトルで映画化。ニコラス・ローグが撮影監督を務め、芸術的な作風でカルト的人気を獲得。コーマン監督自身もお気に入りの作品として挙げ、後々コーマン製作のもとリメイク版となる『新・赤死病の仮面』(89)も製作されている。
先ごろ行われた第78回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品されたサイコホラー映画『The Plague』を手掛けたチャーリー・ポリンガー監督がメガホンをとる『The Masque of the Red Death』では、この原作小説を大胆に脚色。狂気に満ちた王子が貴族階級を招いた饗宴を開くなか、そこに入り込んだ双子の姉妹の片割れが、乱行やドラッグ、権力争いなどの退廃的な世界を目の当たりにしていく様が描かれるとのこと。
マディソンはその双子の姉妹を演じる予定。元々この役柄は『恋するプリテンダー』(23)や『IMMACULATE 聖なる胎動』(7月18日公開)のシドニー・スウィーニーが演じる予定だったが、ドラマシリーズ「ユーフォリア/EUPHORIA」の新シーズンの撮影など過密なスケジュールの都合により降板。その代役としてマディソンに白羽の矢が立てられたのだとか。ちなみにマディソンとスウィーニーは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)で共演を果たしている。
オスカー受賞後の動向が注目されていたマディソン。ショーン・レヴィ監督が手掛ける「スター・ウォーズ」シリーズの新作で、ライアン・ゴズリングが主演を務める『Star Wars: Starfighter』への出演交渉が行われていたが、結局ギャラの問題で決裂。受賞後の最初の作品としては、キルスティン・ダンストと共演する『Reptilia』が今秋に撮影開始となることがすでに報じられている。
『The Masque of the Red Death』は年末から来年初頭にかけて撮影が行われる予定となっており、詳しい公開時期は未定。2024年を代表するシンデレラガールとA24の初タッグとなる同作。今後の続報を待ちたい。
文/久保田 和馬