A24最新作は小島秀夫も絶賛のスリラー『愛はステロイド』公開決定!異様な世界観を表現したキービジュアル&予告映像

A24最新作は小島秀夫も絶賛のスリラー『愛はステロイド』公開決定!異様な世界観を表現したキービジュアル&予告映像

『ミッドサマー』(19)、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(24)や『関心領域』(23)などの作品を手がけたスタジオA24の最新作『愛はステロイド』が8月29日(金)より公開されることが決定。あわせて、キービジュアルと予告映像が解禁された。

物語の舞台は1989年。トレーニングジムで働くルーは、自分の夢をかなえるためにラスベガスに向かう野心家のボディビルダー、ジャッキーに夢中になる。しかし町で警察をも牛耳る凶悪な犯罪を繰り返す父や、夫からDVを受け続ける姉を家族に持つルーをかばおうとするジャッキーは、思いもよらない犯罪網に引きずりこまれることになる…。

そんな本作は大胆で示唆に富んだストーリーテリング、刺激的な演出、そして俳優陣の化学反応が各所から絶賛され、映画批評を集積、集計するサイト「Rotten Tomatoes」では94%フレッシュという高評価を獲得(2025年6月3日時点)。ゴッサム・インディペンデント映画賞をはじめとする世界各国の映画賞に44ノミネートを果たし、第74回ベルリン国際映画祭にも出品され、『ピンク・フラミンゴ』(72)などで知られるジョン・ウォーターズが“2024年最高の映画”として挙げている。

監督を務めるのは狂信の末に暴走するカトリック信者の看護師を描いたホラー『セイント・モード/狂信』で長編映画デビューを果たした新鋭のローズ・グラス。前作で彼女の才能に惚れ込み北米配給を担当したA24が、Film4とともに本作の製作に乗りだしたとのこと。グラスはその期待に応え、官能的なクィアロマンスに退廃的なフィルムノワール、デヴィッド・クローネンバーグを想起させるボディホラー、そしてデヴィッド・リンチが愛するシュールレアリズムまで、あらゆるジャンルを横断する衝撃作を完成させた。

父親を嫌悪しながらもその影響下から逃れられない女性ルーに扮するのは「トワイライト」シリーズでブレイクし『カフェ・ソサエティ』(16)、『チャーリーズ・エンジェル』(19)などの話題作に出演、『スペンサー ダイアナの決意』(21)では第94回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたクリステン・スチュワート。プライベートでは、先日同性パートナーとの婚約も発表している。流浪のボディビルダー、ジャッキーと運命的な出会いを果たしたことをきっかけに虚無的な日常から抜けだし、愛する者を守るために奮闘する女性をアグレッシブに好演。80年代ファッションも相まってその相貌に真実味を宿している。彼女のパートナーとなるジャッキーに抜擢されたのは、同じくクィアであることを公表し、かつてボディビル選手として活躍し、公開中の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』にも出演しているケイティ・オブライアン。艶めく筋肉美で力強さを感じさせるルックスながらも、繊細な内面を持つ複雑なキャラクターを体現している。このほかにも不気味で抑圧的だが圧倒的な力を持つルーの父親を演じるエド・ハリスをはじめ、ジェナ・マローンやアンナ・バリシニコフなど実力派キャストが顔を揃えている。

このたび解禁されたキービジュアルでは、筋肉美を誇るジャッキーと、彼女に身体を寄せるルーの姿が印象的に描かれている。80年代をイメージさせるネオンのタイトルに「その想い、過剰摂取につき。」とタイトルとのリンクを思わせる熱を帯びたコピーも添えられている。さらに予告映像の前半では、不穏な音楽に乗せて愛を紡ぐルーとジャッキーが映しだされる。しかし一本の電話から急転、暴力、叫び、銃撃戦など…二人の強い愛によって巻き込まれてしまう衝撃的な事件の数々が映しだされる。そして最後には“衝撃のラスト”を予感させる映像も。映画史に残る異形のクライマックスに期待が高まる。

そんな本作をいち早く鑑賞したゲームクリエイターの小島秀夫は「筋肉、銃、暴力、殺人、ステロイド。デヴィッド・リンチを失った我々に、筋肉質ではなくなった”ハリウッド“に、ローズ・グラスは再びステロイドを大量注入する!!全てはピュアで血塗れの“愛”のため」と本作の刺激をステロイドにかけ、監督の才能にも言及した絶賛コメントを寄せている。


今後の映画界を牽引する新鋭監督が、80年代を舞台に愛と暴力を描きだす本作。衝撃ラストをスクリーンで目撃して!

文/スズキヒロシ

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