最高のケミストリーで共演者も輝く！『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』『破墓／パミョ』の演技派、キム・ゴウンの魅力を再確認

大学時代に出会い、親友となった男女の13年にわたる友情を描く『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(6月13日公開)。アウトサイダーとして周囲になじめなかった2人の自由奔放なやり取りが魅力のこの映画で主人公を演じているのが、韓国を代表する演技派女優キム・ゴウンだ。先日来日して話題を呼び、前作『破墓／パミョ』(24)で見せたカリスマティックな演技で青龍映画賞、百想芸術大賞映画部門の主演女優賞に選ばれた彼女が、大都市ソウルに生きる女性ジェヒの20代から30代を伸びやかに演じている。出演作ごとに新たな境地を開く彼女の魅力はどんなところにあるのだろうか？

【写真を見る】ノ・サンヒョン、イ・オニ監督と共に来日したキム・ゴウン。会場からも声援が飛んだ撮影/成田おり枝

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韓国芸術総合学校時代の同級生たちとの関係性

ゴウンの出身大学は、国立の韓国芸術総合学校。音楽院、映像院、舞踊院などがある同校の演劇院演技科には、2023年に惜しくも亡くなった『パラサイト半地下の家族』(19)のイ・ソンギュン、『エクストリーム・ジョブ』(19)のチン・ソンギュなど、多くの俳優を輩出した名門として知られている。

特にゴウンと同じ2010年入学組には、『パラサイト～』のパク・ソダムや『市民捜査官ドッキ』(24)のアン・ウンジン、『コメント部隊』(24)のキム・ソンチョルなど、のちにスターとなる人材が集中し、現在では「伝説の学年」と呼ばれるほど。ゴウンは中退したが、同級生たちとの交流は続いており、SNSを見ると彼女のことを「入学当時からオーラがあった」と振り返るウンジン出演の舞台に駆けつけたりもしている。

『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』にも、同期のイ・サンイがジェヒと同じ会社で働くミンジュン役で出演。周りの空気を読まず、ズバズバと本音を口にする彼女を見守る視線が優しい。

1年先輩で、韓国映画界を牽引する俳優となったパク・ジョンミンとは『サンセット・イン・マイ・ホームタウン』(18)で共演。ゴウンは当時、2016年のドラマ「トッケビ～君がくれた愛しい日々～」の記録的な大ヒットによって精神的にまいってしまい、休養も考えていたというが「彼と一緒ならリラックスして撮影できる」と思い、出演を決めたそうだ。また、『破墓』に出演する際には、同じチャン・ジェヒョン監督の前作『サバハ』(19)に出演していたジョンミンから「絶対、出たほうがいい」と強く勧められていたという。こういったエピソードからも同窓生の絆の強さを感じさせる。

韓国芸術総合学校の1年先輩で韓国映画界を牽引する俳優となったパク・ジョンミンと共演(『サンセット・イン・マイ・ホームタウン』)[c]2018, CINEWORLD & MEGABOX JOONGANG PLUS M, ALL RIGHTS RESERVED

時代劇にミュージック、サスペンスなど多彩なジャンルの作品で魅せる

高齢の詩人を魅了する17歳の高校生を演じた『ウンギョ　青い蜜』(12)で鮮烈なデビューを果たしたゴウンのフィルモグラフィーを振り返ると、ジャンルの多彩さにも驚かされる。『メモリーズ追憶の剣』(15)では時代劇のアクションに挑戦。イ・ビョンホン、チョン・ドヨンという先輩俳優たちに負けない存在感を見せた。また、ロングランミュージカルを映画化した『英雄(原題:영웅)』(22)では、見事な歌声も披露している。