塚本晋也、中村蒼、瀧内公美ら実力派が集結!物語の輪郭が徐々に明瞭となる『宝島』新キャスト10名を発表
<コメント>
●塚本晋也(徳尚役)
「すべてのシーンが圧巻の特大スケールで驚きました。徳尚という役を通し、沖縄のこと、日本のこと、たくさんのことをあらためて見つめる大事な機会になりました。映画が放つ強いメッセージがみな様に届くことを願っています」
●中村蒼(小松役)
「戦後の沖縄という最も過酷な現実に置かれ、歴史に声を奪われた登場人物の怒り、友情、絶望、希望が描かれておりそんな今作にとても心打たれました。画面からすごいエネルギーがひしひしと伝わってきました。私が演じた小松は普段は淡々と通訳の仕事をこなし穏やかで理知的な人間ですが物語が進むにつれてそれだけではない別の一面も持ち合わせています。私は、彼が冷徹で計算高い男なのか、理想と現実で板挟みになり苦悩する男なのか、それとも沖縄を思うが故に独自のやり方で尽力した人物なのかは観たみなさんがどう思うのかとても楽しみにしている所です」
●瀧内公美(チバナ役)
「いまも続いている“沖縄の現実”というものを内地の人間は見つめざるを得ない。沖縄に出向き、戦争の話をしてくれたおばぁたち。コザにある映画館シアタードーナツで見せていただいたドキュメンタリー映画『モトシンカカランヌー』。アケミさんが唄っていた十九の春。沖縄で過ごした時間は私の心にいまも生き続けています。物語でもあり、フィクションであるにも関わらず、沖縄史にどうしても気持ちが向き、ここに生きている“人間たちが”、“魂が”あったんだ、と叫ばざるを得ませんでした。伝えたいことは山ほどある。映画では語りきれないほどの想いがそこにはあります。この作品に協力してくださった沖縄のみなさんに心から感謝しております。エンドロールをご覧になってみなさまがどう感じてくださるのか、沖縄に出向いた際はひめゆりの塔で手を合わせていただけることを切に願います」
●栄莉弥(ウタ役)
「大友監督が導く『宝島』の世界、僕はカメラの前で芝居をすること自体がほぼ初めての経験でした。撮影中は様々な感情が入り混じり、緊張で硬まってしまう事もありましたが、監督から『ここにいる以上は、同じ土俵に立っているのだから自信を持ってやっておいで』と仰っていただき、その言葉をパワーに変え、キャストの先輩方やスタッフのみなさんに背中を借りる気持ちで日々挑戦でした。撮影の合間には、ひめゆりの塔や、ガマ、美しい海、荒崎海岸にも足を運びました。沖縄の神秘と、そこに確かにある悲惨な歴史、そしてそれを乗り越えてきた琉球の方々の魂の力強さを感じ、心が震える思いでした。激動の戦後沖縄を生き抜いたたくさんの命を、肌で感じていただける作品になっています。ぜひ多くの方に劇場へ足を運んでいただきたい気持ちでいっぱいです」
●尚玄(タイラ役)
「アメリカ統治下にあった沖縄の激動の時代。彼らが命を懸けて守ろうとしたのは、島のかけがえのない『宝』だった。理不尽な現実は、いまもなお形を変えて続いている。民意とはなにか、そして誰のための本土復帰だったのか―。その問いは決して過去のものではない。沖縄と真摯に向き合ってきた大友啓史監督だからこそ実現できた意欲作。沖縄出身の俳優として、この作品に参加できたことを光栄に思う」
●ピエール瀧(喜舎場役)
「久しぶりに大友監督の現場に参加させていただきました。相変わらずのエネルギッシュな現場で、なによりも監督が楽しそうにされている姿に触れてこちらもうれしくなりました」
●木幡竜(ダニー岸役)
「沖縄という戦後の戦場に焦点を当てて、グスク、ヤマコ、レイという幼なじみたちがそれぞれの人生を歩みオンちゃんという彼らにとっての英雄を探す物語です。国の過去と向き合う覚悟。人間の尊厳、自由への渇望が詰まったこの小説を読んだ時、どこに僕の役があるのだろう。どの役ならこの映画に貢献できるのだろうと感じておりました。大友監督から頂いた役はダニー岸。映画唯一と言っていい悪役は、小説ではかなりのサイコパスな役です。しかし、小説と実写映画では少しこの役の意味合いは違いました。監督といろいろな意見交換をしながら撮影に挑みました。試写会で映画『宝島』を観た時、全ての役が、キャラクターが、個性が、映画のなかに息づいていました。そのなかにダニー岸も居て、すごい作品の一部になれていると感じました。この映画はぜひ、映画館で観ていただきたいです」
●奥野瑛太(謝花ジョー役)
「撮影休みの金曜日の夜、賑やかなコザゲート通りで1人酔い潰れていました。異国の雰囲気漂う通りで寝転んでいると、路面店からは終始洋楽のカラオケの音が鳴り響いていました。咆哮に近い歌声にしばし身体を預け、酔いが収まってきたところでふらふらと路地を散歩しました。先ほどの景色とうってかわり地元の若い人たちがやっている飲み屋さんが立ち並んでいました。どこからともなく聞き馴染みある沖縄のJ-POPのカラオケの音が聞こえ、今度は地元愛の滲む平和的な若者の声に残りの酔いを任せました。通り一つはさむだけでまるで違う国に来たかのように錯覚してしまう情景に、外部から来ておこがましいの百も承知ですが、『これが沖縄なのか』と、その複雑さと歴史にただただ呆然と酔っ払いました」
●村田秀亮(とろサーモン/辺土名役)
「どんだけ涙が出てくるねんってくらい泣いてた…。胸が熱くて苦しくて痛くて…涙が止まらなかった。戦争は終わったはずなのに沖縄ではなにも終わっていなかったあの時代。自分たちの本来の島を取り戻したくて護りたくて命を懸けて立ち上がる若者たちの姿は、泥臭くて尊い。これはただの物語でも映画でもないよ。人間が生きることそのものにぶつかっていくリアルな叫び!生きてる以上、前に進まないと損やもんな。よし、明日も生きていこ!今世紀絶対観て欲しい一本です」
●デリック・ドーバー(アーヴィン・マーシャル役)
「『宝島』は私にとって特別な作品であり、日本映画界にとっても大きな意義を持つ挑戦だと感じています。大友啓史監督の情熱が、視聴者だけでなく、多くの業界関係者にも共感と希望を届けてくれることを願っています。この物語は観る人に問いを投げかけ、考える力を引きだす深い作品です。激動の時代だからこそ、こうした普遍的な物語がいっそう求められていると感じます。日本の文化と映画は、私の人生とキャリアに大きな影響を与えてくれました。この作品に関わり、尊敬する監督や仲間とともに創り上げられたことを心から誇りに思います」
文/平尾嘉浩
※「塚」は「ヽ」のある旧字体が正式表記