【TOHOシネマズ 上大岡篇】老舗映画館から受け継いだあるものとは?映画館にまつわる歴史&トリビアを大特集!

【TOHOシネマズ 上大岡篇】老舗映画館から受け継いだあるものとは?映画館にまつわる歴史&トリビアを大特集!

今年、TOHOシネマズの全国17劇場がアニバーサリーを迎えることを記念し、現在TOHOシネマズ株式会社によるお客様への感謝を込めた“アニバーサリーキャンペーン”が実施中だ。MOVIE WALKER PRESSでは対象の17劇場のスタッフへの取材や当時の資料を徹底リサーチ!オープン当初の貴重な裏話、その映画館ならではの魅力やトリビアなどを深掘りする連載コラムを展開。第5回は、創業15周年の「TOHOシネマズ 上大岡」についてご紹介する。

広々としたラグジュアリーな空間が快適!
広々としたラグジュアリーな空間が快適!TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

数多くの商業施設が入ったショッピングセンターmiokaとともに当劇場がオープンしたのは2010年4月16日。京急本線と横浜市営地下鉄ブルーラインの上大岡駅から直結という利便性もうれしい立地だ。全9スクリーン、1,704席を有するが、特に映画ファンに好評を博しているのは、横幅17.2mのビッグサイズを誇る5番スクリーンだとか。

横幅17.2mのビッグサイズを誇る5番スクリーン
横幅17.2mのビッグサイズを誇る5番スクリーンTM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

これまで当劇場で公開した作品で、1日の上映回数が最も多かったのは、1位が『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)の32回で、2位が『名探偵コナン 緋色の弾丸』(21)の30回。ロングランヒットとなった『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』 (10)や「アナと雪の女王」シリーズもかなりの回数を上映したという。チラシの減りが早かった映画は「名探偵コナン」や「鬼滅の刃」「GANTZ」などの人気シリーズだ。

公開前に反響が多かった映画は、ムビチケの販売当日に入場プレゼント目当てで長蛇の列ができたという『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』(14)や、上映日・上映期間などについての問い合わせが多かった『カメラを止めるな』(17)など。コンセッションでの人気が高いのはポップコーン(バター醤油、キャラメル)、チュリトス、ホットドックだそう。

オープン記念のレッドカーペットイベントに哀川翔ら豪華ゲストが登場

オープン当時のTOHOシネマズ 上大岡のロビー
オープン当時のTOHOシネマズ 上大岡のロビーTM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

オープンにあたり、スタッフは気合十分に、お揃いのジャージを着用して準備にあたったと言う元支配人。「当劇場オリジナルの、紺色のジャージを作っていただきました。オリジナルジャージを作る劇場は珍しかったです。それを着て、みんなで営業活動を頑張りました。もちろんいまもそのジャージは持っています」。

そして迎えたオープン日前日には、同年5月に公開予定だった映画『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』(10)や『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超電王 トリロジー EPISODE RED ゼロのスタートウィンクル』(10)のレッドカーペットイベントが開催。哀川翔、仲里依紗、阿部力、井上正大、田中直樹、ガダルカナル・タカ、三池崇史監督と共に仮面ライダー電王らも劇場内に敷かれたレッドカーペットを練り歩いた。ところが予想を遥かに超えた観客が詰めかけ、対応に大わらわだったという。

コンセッションでの人気が高い商品は、ポップコーンやチュリトス、ホットドッグなど
コンセッションでの人気が高い商品は、ポップコーンやチュリトス、ホットドッグなどTM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

「オープン日は、平日の金曜日だったのですが、予想の5倍以上のお客様に来ていただいたんです!劇場オープン前で、スタッフもまだ接客を経験したことがなかったですし、本当にてんてこ舞いでした。シネマイレージカードも用意していた枚数がすぐ足りなくなるほど登録が殺到して、慌てて近隣の劇場からかき集めました。正直、私も含め、スタッフのほとんどは、オープン時の記憶がないくらい大変でした」と当時を振り返る。

さらにオープン日翌日の土曜日には、『名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)』(10)や『アリス・イン・ワンダーランド』(10) 、『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』(10)というメガヒット作が封切られ、こちらも想定よりも多い観客が押し寄せ、うれしい悲鳴をあげたという。

ティム・バートン監督が手掛けた『アリス・イン・ワンダーランド』
ティム・バートン監督が手掛けた『アリス・イン・ワンダーランド』[c]Everett Collection/AFLO

「オープン2日目の土曜日は、その1年のなかでも一番忙しかったのではないかと。この日も先日のレッドカーペットイベントの時よりも多いお客様がいらっしゃいました。本部の方も手伝いに来てくださり、全員が総出でシネマイレージの入会手続きなどをやっていました。また、当時の3Dメガネは、お客様が使用後に回収して、都度きれいに拭き取り再利用するオペレーションだったので、本部の上層部まで拭き取り要員として手伝ってくださったくらい、とにかくバタバタな状況でした。おそらくオープン初日の動員としては、ほかの劇場も含めてのレコードを出したのではないかと思います」。


そんなTOHOシネマズ 上大岡は、以降、近隣の映画ファンに愛される劇場として定着していく。最寄りのおすすめスポットについて聞くと、映画を観たあと、miokaや京急百貨店でショッピングや食事を楽しむ方も多いそう。元支配人によると「春は大岡川プロムナードの桜並木がきれいで、いろんなところでライトアップもされています」と言う。

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