アート・ザ・クラウンやペニーワイズだけじゃない!トラウマ&絶叫必至の“ピエロホラー”13選
『道化死てるぜ!』(12)
なかなか奇抜な邦題でビデオリリースされた『道化死てるぜ!』は、アイルランドで製作されたコメディタッチのピエロホラー。子どもたちを楽しませるピエロとして活動していた男スティッチは、ある時訪ねて行った家の子どもたちのいたずらによって無惨な死を遂げてしまう。10年後、復活を果たしたスティッチは、復讐を遂げるために16歳になった少年たちの誕生パーティへと出向き、テンション高めの大殺戮を繰り広げていく。
『Gingerclown』(12)
ハンガリーで製作されたホラーコメディ『Gingerclown』は、本邦未上陸の作品ではあるがホラー映画ファン必見のピエロホラー。1983年、怪物たちが棲むと噂される廃遊園地に侵入した高校生たちが体験する恐怖の一夜が描かれる。
なんといっても注目は、怪物たちを演じたキャスト陣。ピエロの“ジンジャークラウン”役は、テレビ映画版「IT/イット」でペニーワイズを演じたティム・カリー。さらに「チャイルド・プレイ」シリーズのチャッキー役でお馴染みのブラッド・ドゥーリフや、ランス・ヘンリクセン、マイケル・ウィンスロー、ショーン・ヤングが声の出演として名を連ねている。
『Circus of the Dead』(14)
2014年に映画祭でひっそりと上映されて以降、長いあいだ鑑賞機会が失われている『Circus of the Dead』。北米で配信公開されたようだが、ソフトリリースもされておらず、現時点で鑑賞手段は確認できていない、まさに“幻のピエロホラー”だ。
ビル・オバースト・ジュニア演じるパパ・コーン率いるサディスティックなピエロ集団に娘たちを誘拐された、パーリッシュ・ランドール演じるドナルドは、娘たちを救うために殺人ゲームへと巻き込まれていく。メガホンをとったのはビリー“ブラッディ・ビル”ポン監督。その飽くなきホラー映画愛があふれた一作になっていると言われており、鑑賞者からの評価は高い。
『クラウン』(14)
マーベル・シネマティック・ユニバースの「スパイダーマン」シリーズや、「スター・ウォーズ」のドラマシリーズ「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」を手掛けたジョン・ワッツ監督の長編デビュー作は、150万ドルの低予算で製作されたピエロホラー『クラウン』。元はフェイク予告編として作ったものが、イーライ・ロスの目に留まり長編化が実現した。
子どもを喜ばせたいがために、偶然見つけたピエロの衣装を着たケント。実はその衣装は、かつて子どもたちを貪り喰っていた悪魔“クロイン”の呪われた衣装であり、一度着たら脱ぐことができない。徐々にケントの体はクロインに侵食されていき…。従来のピエロホラーとは異なる斬新な切り口でピエロの恐怖を描いた作品として大きな話題を集め、ワッツ監督の躍進につながった。
『31』(16)
『マーダー・ライド・ショー』で監督デビューを果たして以降、ホラー映画専門の映画監督として精力的に作品を発表しているロブ・ゾンビ監督が、『時計じかけのオレンジ』(71)の名優マルコム・マクダウェルをキャストに迎えて手掛けた残虐ホラー『31』。
ハロウィンの前夜に拉致されたサーカス団の男女5人は、巨大な廃墟に監禁され、ハロウィン当日に行われる「31」と呼ばれるデスゲームへの参加を強いられる。興行的には振るわなかったものの、ドゥームヘッド役のリチャード・ブレイクの演技がホラーファンのあいだで話題に。「過小評価されている作品」と言われており、いずれ再評価の時が訪れるかもしれない。
年々進化を続けながら、そのたびに新たな恐怖とトラウマを我々に植え付ける“ピエロホラー”。今後このジャンルからどんな傑作が生まれるのか。引き続き注目していきたい!
文/久保田 和馬