『We Live in Time』で新たな魅力を発見!『ミッドサマー』、『サンダーボルツ*』に出演してきたフローレンス・ピューのこれまで
マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)の最新作『サンダーボルツ*』(公開中)で主演を務め、熱視線を浴びているフローレンス・ピュー。とにかく、ここ数年の彼女は活躍目覚ましい。アカデミー賞作品賞を受賞した『オッペンハイマー』(23)での好助演は印象に残ったし、同賞にノミネートされた『デューン 砂の惑星PART2』(24)で皇女を演じたのも記憶に新しい。そんな彼女の好調ぶりを伝えるラブストーリーが『We Live in Time この時を生きて』(6月6日公開)だ。
イギリス主体の製作作品だが、好評を受けてアメリカではA24が配給権を獲得したことからも、注目すべき作品であるのは察しがつくだろう。そこで本作の公開を前に、ピューの歩みをいま一度、振り返ってみよう。
キャリア初期の出演作~ハリウッドデビュー作まで
1996年にイギリス、オックスフォードで生まれたピューは現在29歳。ティーンの頃から演技に興味を抱き、現地のパブリックスクールに在学していた時期に『フォーリング 少女たちのめざめ』(14)に端役で出演して女優デビューを果たした。これがイギリスで注目され、文芸ドラマ『レディ・マクベス』(16)では主演に抜擢される。さらにリーアム・ニーソン主演の『トレイン・ミッション』(18)でハリウッドに進出し、パンクファッションの少女を演じて鮮烈な印象を与えた。
『ミッドサマー』&『ストーリー・オブ・マイライフ』でブレイク!
飛躍を遂げたのは2019年の2作品。1つはA24のもとでアリ・アスター監督が手掛けたスリラー『ミッドサマー』。北欧の小さな宗教コミューンを訪ねた米国人大学生たちの恐怖体験を描いた物語で、ピューは主人公ダニーを演じた。関係の行き詰まった恋人と共にコミューンを訪れたダニーは、時に残酷で時にエロティックな儀式に触れて精神のバランスを崩壊させてしまう。狂気への過程をリアルに表現した演技は、ラストシーンの表情と共に観客のなかに忘れることのできない強烈な光景を刻んだ。
もう1つは、グレタ・ガーウィグ監督の『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』。何度となく映画化されてきたルイーザ・メイ・オルコットの名著「若草物語」を、のちに『バービー』(23)を撮って脚光を浴びるガーウィグが現代にフィットさせたもので、ピューは一家の四女エイミーを演じた。末っ子らしくかわいがられるだけではなく、自分の意思をはっきりと示す女性の強さを体現した演技は賞賛の声を集め、アカデミー賞では見事に助演女優賞にノミネートされる。童顔の英国人女優はハリウッド注視の存在となったのだ。