実写版のモノトーンルック&原作・アニメのビビッドルック『岸辺露伴は動かない』露伴先生の“OOTD”
奇抜、なのにオシャレなファッションのキャラクターが多数登場する「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ。なかでも今回取り上げたいのが、人気キャラクターの一人、漫画家の岸辺露伴だ。漫画家らしいモチーフを随所に取り入れた彼のファッションもまた“ジョジョらしさ”を存分に感じられるものであり、昨今話題をさらう実写版でも、露伴を演じる高橋一生のスタイリングに注目が集まっている。今回はそんな露伴のOOTD=Outfit Of The Dayを、これまでの作品と共に紹介する。
“リアリティ”を追求する漫画家、岸辺露伴が主人公に
岸辺露伴は、原作の第4部にあたる「ダイヤモンドは砕けない」に登場した天才漫画家。ジョジョの血脈とは直接関わりのない立場ながら、漫画にリアリティを宿すために取材に没頭する彼の特異なキャラクター性は異例の人気を誇り、彼を主人公としたスピンオフ作品「岸辺露伴は動かない」が制作されている。
この「岸辺露伴は動かない」は、2020年から実写ドラマが放送され、その完成度の高さから大きな話題となり、2023年には劇場版『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』も公開。ルーヴル美術館の全面協力を得て制作された映像も注目の的となった。人気は衰えることなく、劇場版第2作となる『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が5月23日より公開されている。イタリア、ヴェネツィアを舞台に露伴が紡ぐ奇妙な物語も気になるが、今回注目したいのは、彼のファッション。原作やアニメ版と実写版との違いにも着目しつつ、そのスタイリングや感じられるポリシーについて見てみよう。
ユニークなデザイン&カラーがポイントのジョジョファッション
「ジョジョ」シリーズといえば、1980年代から続く人気作品。ミーム化した名台詞なども多く、本編を読んだことはなくともそれらは知っていたり、キャラクターのビジュアルを目にしたことはあるという人も多いのではないだろうか。
ひときわ目を引くのは、キャラクターたちが纏う服の独特なデザインだ。原色を多用したり、柄と柄を合わせたり。リアルな世界なら躊躇してしまいそうなデザインやモチーフも、作者、荒木飛呂彦の絵となると途端にしっくりきてしまうから不思議だ。ともすれば奇抜ともいえるジョジョファッションだが、既存のファッションに飽きてしまった人にとってはアイデアの宝庫。国内外のブランドがコラボアイテムを発表したり、キャラクターをイメージしたウェアを制作したりと、ファッション界に与えている影響も少なくない。