阿部寛主演、日台合作『キャンドルスティック』金融システムの“隙”が生んだ混乱を捉えた場面写真

阿部寛主演、日台合作『キャンドルスティック』金融システムの“隙”が生んだ混乱を捉えた場面写真

阿部寛が主演する日本と台湾の共同製作映画『キャンドルスティック』(7月4日公開)から新たな場面写真が解禁された。

【写真を見る】日台の実力派キャストが集結!
【写真を見る】日台の実力派キャストが集結![c]2025CANDLESTICK PARTNERS

本作は、日本、台湾、イラン、ハワイなど、世界6つの都市を舞台に、それぞれの運命と思惑が交錯するマネーサスペンス。平成から令和へ元号が替わり、日本の金融システムが最も隙だらけだった日、2019年5月7日。間断なく多種多様な金融取引が行われるデジタルネットワークは、出自も身分も関係なく、誰でも一瞬で人生を変えることのできる世界…。本作ではそんなマネーゲームの魔に憑かれた10人の男女が大金を手に入れるため、世界を股にかけて前代未聞のミッションに挑む姿を活写する。

主演の阿部が演じるのは、刑務所上がりの元天才ホワイトハッカーで“AIを騙す”計画の発案者、野原。またFXトレーダーで計画をサポートする杏子を菜々緒が、杏子の元夫で数学者の功を津田健次郎が演じる。そして、舞台の一つとなる台湾からは、映画『瀑布』(19)で台湾のアカデミー賞と言われる金馬奨で主演女優賞を獲得、台湾を代表する女優アリッサ・チアが台湾の大企業の幹部リンネを、『本日公休』(23)など多数の映画に出演し、『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』(19)で役所広司とも共演経験のあるリン・ボーホンが台湾の若き経営者リーを、『莎莉』(24)で第61回金馬獎最優秀新人賞のタン・ヨンシューがリンネの娘メイフェンを演じる。そのほか、サヘル・ローズ、YOUNG DAIS、マフティ・ホセイン・シルディ、デイヴィッド・リッジスら国際色豊かな面々が参加している。

明日は劇中で描かれる、決戦の日当日の5月7日。それは6年前に平成から令和への改元後初となる金融市場の取引が行われた日だ。実際に日本の金融市場にとって“最も隙だらけの日”とも言われ、海外市場での取引で積み上がったポジション調整や膨大な決済の集中により、為替市場などでは大きな相場変動の可能性が予想されていた。

改元後初となる金融市場の取引が行われた日に2つの計画が交錯する『キャンドルスティック』
改元後初となる金融市場の取引が行われた日に2つの計画が交錯する『キャンドルスティック』[c]2025CANDLESTICK PARTNERS

その原因は10連休という異例の長期休暇が原因と言われる。政府は天皇の退位と新天皇の即位を祝うために、2019年のゴールデンウィークを10連休(4月27日~5月6日)に設定した。これは日本の金融市場にとってかつてない長期間のブランクとなり、その間は日本での金融取引は実質的にクローズとなり、日本の金融市場参加者にとって海外で起きた経済や政治の変動リスクに即応できない状態に。特に為替市場では、連休中でも海外市場では円相場が動いており、もし極端な円高、円安の動きが起きていたら、連休明けに大きな相場変動が生じる可能性があった。海外のハッカーグループなどからは、金融機関や取引所のシステムが10日間フルで止まることは極めて稀で、連休明けの5月7日にサイバー攻撃やシステムリスクへの懸念が高まっていた。改元という祝賀ムードの裏で日本の金融システムはグローバルな動向とは孤立した状況になるため「隙だらけ」と表現されたのだ。このたび解禁された新たな場面写真にも、混乱の一端を垣間見ることができる。


世界6つの都市を舞台に、日本&台湾の実力派キャストがスリル満点の“コンゲーム”を繰り広げる本作。手に汗握る緊張感を映画館で体感して!

文/スズキヒロシ

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