【TOHOシネマズ 府中篇】かつて『ニュー・シネマ・パラダイス』体験ができたスクリーンも?映画館にまつわる歴史&トリビアを大特集!
今年、TOHOシネマズの全国17劇場がアニバーサリーを迎えることを記念し、現在TOHOシネマズ株式会社によるお客様への感謝を込めた“アニバーサリーキャンペーン” が実施中だ。MOVIE WALKER PRESSでは対象の17劇場のスタッフへの取材や当時の資料を徹底リサーチ!オープン当初の貴重な裏話、その映画館ならではの魅力やトリビアなどを深掘りする連載コラムを展開中だ。第2回は、今年で20周年を迎えた「TOHOシネマズ 府中」をご紹介。
2005年3月16日にオープンしたTOHOシネマズ 府中が位置するのは、京王線府中駅に隣接する商業施設「くるる」内。ファッション、雑貨、食品などのショップやレストラン、カフェなどが入ったショッピングモール内なので、映画のビフォア&アフターでいろいろな過ごし方ができる。映画館としては、府中のファミリーをメインに、若い人からシニア世代まで、幅広い年齢層の府中市民に愛されてきた。現在の支配人が「子ども時代に府中で映画を観て、大人になってからは、自身のお子様を連れてこられる方も多いです」というのもうなずける。
全9スクリーンあるなかで、メイン館のSCREEN 2は、スクリーンサイズ横14.8mの大画面で、映画ファンから好評を博している。当館で上映回数が最も多かった作品は、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)で、コンセッションの人気商品は、「ポップコーン」「チュリトス」だとか。また、ファミリー層が多いため、当時爆発的な人気を誇っていた「妖怪ウォッチ」の映画の前売券販売時は、特典となるメダル目当てで、子どもではなく大人たちが徹夜で並び、長い行列ができるというフィーバーぶりだったそうだ。
また、ショッピングモール以外の劇場周辺のおすすめ立ち寄りスポットは、全国有数のパワースポットとして知られる大國魂神社。特に毎年、ゴールデンウィーク期間である4月30日〜5月6日に開催される「くらやみ祭り」は、大國魂神社最大の例大祭で、都指定無形民俗文化財に指定されている。御神輿や大太鼓、山車行列など様々な見所がたくさんあり、期間中約80万人の人出が見込まれる。ぜひこの期間に、映画とお祭りをダブルで楽しんでいただきたい。
オープニングセレモニーのゲストは長澤まさみ!
当時の劇場社員にオープン当初の上映作品を振り返ってもらうと「2005年はけっこう洋画が元気でした。『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』が上映していましたが、ちょうどいま、最新作『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』が上映しているというのも感慨深いです。その後、キアヌ・リーブスの『コンスタンティン』が4月に公開され、6月にはトム・クルーズの『宇宙戦争』が公開されましたが、“最速上映”的な0時0分から上映するというものをやっていました」と懐かしむ。
「0時前に、スタッフと一緒にカウントダウンをして、上映をスタートさせた記憶があります。正直、府中で0時0分に来られる人は、あまりいなかったのですが(苦笑)、かなり盛り上がりました。また、私は『スター・ウォーズ』が好きで映画業界に入りましたが、ちょうど『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の上映があり、そちらも大盛況でした。
なお、TOHOシネマズ 府中のオープニングセレモニーには、長澤まさみが駆けつけたと言う。あだち充原作の実写版映画『タッチ』(05)がその年の9月に公開予定で、府中でもロケをしていたことから、長澤がテープカットのゲストとして招かれたらしい。「府中なので、芸能人を呼ぶような派手な舞台挨拶はそうそうなかったのですが、営業活動は本当に一生懸命やっていました。ちょうど『NANA』という映画が注目され、その聖地とされているジャクソンホールが調布にあったので、花火大会の日にチラシを配りに行きました。本当に地域密着型の営業活動というか、こっちから仕掛ける形で、いろんなことをやった記憶があります」と社員も当時を振り返る。