永野芽郁史上最も感情が忙しい!?『かくかくしかじか』主人公の喜怒哀楽を捉えた新場面カット
永野芽郁が主演を務め大泉洋と共演する『かくかくしかじか』(5月16日公開)から、主人公の喜怒哀楽を捉えた新たな場面写真が到着した。
原作は「ママはテンパリスト」、「海月姫」、「東京タラレバ娘」などの作品で知られる東村アキコが自身の実体験を描いた同名コミック。発売以来、映像化の話が絶えなかった原作コミックを東村による脚本で実写化している。東村アキコの生まれ故郷の宮崎をはじめ、石川、東京といった3つの街を舞台に、人生を変えた恩師との出会いと、かけがえのない日々、そして別れを鮮やかに描きだす。
このたび解禁されたのは、涙から笑顔まで、明子(永野)の感情の起伏の振れ幅が垣間見える計5点の新カット。美大の実技試験を終え自信満々な笑顔を浮かべる姿や、絵画ほったらかしでとにかく遊びまくる明子のお気楽学生ライフが収められたカットからは、憎めない明子のチャーミングな魅力が光る。その一方で、念願の美大に進学するも思うように絵が描けず苦しむ様子や、ハードな社会人生活に耐えきれず倒れ込む姿、さらには涙を流す切ない表情など、対照的な印象を放つ姿も収められている。
漫画家を目指す明子とスパルタ絵画教師の日高先生(大泉)とのかけがえのない9年の物語は、東村が泣きながら描いたという自身の実話だ。高校生の明子が日高先生と出会い人気漫画家になっていくまで、そして観る者の心を打つ恩師との感動的な出会いと別れが描かれていくが、プロデューサーの加藤達也は「本作は、高校生から大人になるまで、ある種、東村アキコさんの一代記的な側面もあるお話です。原作の持つコミカルな部分と先生との切ないお別れなど、世代も超え感情の表現する幅も広く、非常に難しいお芝居が必要になる作品でした」と説明し、明子役を永野へオファーした理由についても次のように明かしている。「この高度なお芝居を誰がやるのかと考えた時に、永野芽郁さんしか考えつきませんでした。ビジュアルも直感ですが、絶対に似合うなとも確信しておりました」と語っている。
公開された写真からも伝わるように、時には感情をむき出しにするような振り幅の広い演技も求められていた永野だが、彼女は本作の中でも印象的なシーンの一つとして、絵が描けずにスランプになった明子が自暴自棄になり、自宅で暴れ回るシーンでの撮影を挙げている。永野は「誰しも向き合いたくない瞬間はあると思います。それが明子にとっては絵だと思うので、それでも(日高先生から)“描け!”と言われて。どうしようもなくただ泣けてくるという、あのシーンはすごく理解できました」と自身の経験や記憶をめぐらせながら回顧。「向き合うのはとても大変だろうなと思ったら、気づいたら涙が止まらなくて。明子は喜怒哀楽がしっかりある人ですが、その喜怒哀楽にもそれぞれ理由があって、共感しながらお芝居できたと思います。そのぶん私自身も自分の感情を解放できた気がしますし、本当に一人の人生を生きた気がします」と自信を見せている。
そんな永野の姿を側で見守っていた加藤も「時たま先生に質問することなどはありましたが、明子を演じるにあたって自分の中ではっきりとしたイメージをお持ちでした。迷いなく、集中して挑まれている印象があります。ご自身もおっしゃっていましたが、ミスが本当に少なく、テスト、本番と、映画の明子を体現されたお芝居で、監督もモニター前で唸ることがあるくらい圧倒しておりました」と手放しで称賛している。
永野と大泉が漫画家を目指す主人公とその恩師を演じ、おかしくも切ないかけがえのない9年の物語を体現した本作。キャスト陣の熱演をぜひスクリーンで堪能してほしい。
文/スズキヒロシ