藤井道人最新作『港のひかり』で舘ひろし7年ぶりの単独主演!共演は歌舞伎界の新星、尾上眞秀

藤井道人最新作『港のひかり』で舘ひろし7年ぶりの単独主演!共演は歌舞伎界の新星、尾上眞秀

正体』(24)にて、第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人最新作『港のひかり』が11月14日(金)に公開されることが決定。あわせて、舘ひろしが7年ぶりの単独主演を務めることが明らかになった。

【写真を見る】舘ひろしが7年ぶりの単独主演を務める
【写真を見る】舘ひろしが7年ぶりの単独主演を務める

余命10年』(22)、日台合作の『青春18×2 君へと続く道』(24)など、男女の繊細な思いを紡ぐ作品や、などの実力派、藤井監督が、日本映画界を代表するカメラマン、木村大作と初タッグを組み、北陸の港町を舞台にした完全オリジナル脚本に挑んだ本作。元ヤクザの“おじさん”と、両親を事故で失い、視力を失ってしまった不遇の少年との十数年間の友情を描く。親子以上に年齢が離れ、出自も全く関係がなかった2人の交流を通して、たとえ血のつながりはなくても、「誰かのために生きる」という自己犠牲の精神をベースにした感動エンタメ大作となっている。

本作は、2023年10月から12月に能登半島、富山県で全編フィルムで撮影を実施。クランクアップ直後に起こった能登半島地震の影響により、海が隆起してしまい入船することが難しくなってしまった大沢漁港や、焼失してしまった輪島の観光名所、朝市通りなど、重要なシーンの多くを、美しい輪島や富山の情景の中で撮影を敢行していた。

そのなかで主演を演じるのは、日本映画界を代表する俳優である舘。藤井とのタッグは、『ヤクザと家族 The Family』(21)以来2度目となる。藤井監督との映画をもう一本撮りたいと熱望していたという舘は、今回企画から作品に参加し、監督と脚本の内容について何度も打ちあわせを重ねていたという。打ちあわせのなかで舘が無償で自らの人生をささげる愚直な男という故、渡哲也の面影を宿すような男を演じたいと監督に直談判。舘の思いを受け、藤井が脚本に練り上げ、そんな舘をカメラマン木村がフィルムにおさめた。舘は、「人の強さとはなにか、誰かのために生きるとはどういうことか、かつて親分に教えられたその思いを愚直に守りながら、漁師として孤独に生きようとする男を演じました。この役は藤井監督と何度も話し合い作り上げたものです」と語り、本作に懸ける熱い思いを語った。そして、「“強い男”とはなにかを考えたとき、石原裕次郎さんや渡哲也さんの生き様が頭をよぎりました」と、自分を育ててくれた先輩の影を投影したという。

今回、新しい挑戦として日本映画界のレジェンド、木村とのタッグに挑んだ藤井は、当時の撮影現場を思い返し、「発見と勉強の連続で、たくさんの偉大な背中を見せていただきました」と先輩映画人たちとの撮影について語った。「ロケーションへの敬意、撮影現場での情熱、そしてなにより映画への愛。35mmフィルムでの撮影、モニターのない撮影現場のスタッフ、キャストの集中力は凄まじく、『先輩たちは、この集中力の中で映画を作っていたのか』と圧倒されました」と、まさに映画界の技術力の継承が行われた現場での熱量を感じとったそうだ。木村は、「この作品のショートプロットを読んだとき、これは他人への自己犠牲の物語であり、いままでにない新しい映画ができると思った」と語る。監督との打ち合わせを何度も行い「この作品は、元ヤクザの漁師が盲目の少年のために自らを犠牲にして光を与える、という限りなく非日常の物語。だからリアリティではなく、叙事として作りたい」と撮影手法だけではなく、どう観客に見せたいかまで議論を重ねた。

また、本作において、もう一人の主役級の重要な役どころ、事故により両親を失い、自身の視力も失ってしまった不遇の少年である幸太を、寺島しのぶの息子として、歌舞伎界でも注目を集める尾上眞秀が務めることが決定。目が見えず、両親もいない、理不尽で辛い境遇にいる少年という難しい役どころであることについて尾上は、「撮影前に盲学校に行かせてもらったり色々準備をしました。お芝居の中で特に難しかったのは涙を流すシーンでした」と語り、「舘ひろしさんはいつも優しくて、撮影が終わったらよく焼肉屋さんに連れて行ってくださいました。藤井監督や藤井組のスタッフの皆さんにもとてもよくしていただきました。カメラマンの木村大作さんもすごく優しかったです」と初の映画出演で緊張しながらも現場の空気を楽しみながら撮影に臨んだことを語っている。尾上の演技について藤井は「日本映画界の未来といっても過言ではない尾上眞秀くんも、素晴らしい演技でスクリーンを彩ってくれています」と語った。

さらに、おじさんと目の見えない少年の温かい思いが交錯する劇中スチールも解禁。全編フィルム撮影で行われた本編映像のなかからの切り抜きスチールとなっており、元ヤクザで漁師の“おじさん”の船に乗る幸太の姿が切り取られている。幸太にとっては見えないはずの海を感じ微笑む顔と、遠く海を見つめる“おじさん”との対比が美しい、フィルムの質感そのままのスチールになった。また、白杖を持ち、海を感じる幸太と、そんな幸太を優しく支えるおじさん、2人が親子以上の年の差を感じさせないほどの心の交流があることを感じさせるエモーショナルなスチールも到着している


おじさんと少年の友情を巡り、どのようなドラマが展開されるのか?様々な映画人がお互いの思いをぶつけあって生まれた本作に期待が高まる。

作品情報へ

関連作品

  • 正体

    4.5
    5060
    染井為人の同名小説を原作に藤井道人監督が描く、5つの顔を持つ指名手配犯を巡るサスペンス
  • 余命10年

    4.3
    2621
    小坂流加による同名恋愛小説を原作に藤井道人監督&岡田惠和・渡邉真子脚本で映画化
    Prime Video U-NEXT