実話ってホント!?『ミケランジェロ・プロジェクト』に『ワルキューレ』、ジェームズ・ボンドのモデルになった『アンジェントルメン』など第二次世界大戦期の軍事作戦を描いた映画たち

実話ってホント!?『ミケランジェロ・プロジェクト』に『ワルキューレ』、ジェームズ・ボンドのモデルになった『アンジェントルメン』など第二次世界大戦期の軍事作戦を描いた映画たち

ドイツ将校らがヒトラー暗殺計画を実行する『ワルキューレ』

ドイツ将校による最後のヒトラー暗殺計画を描いたサスペンス大作『ワルキューレ』(08)。ドイツの敗戦が色濃くなった1944年、ヒトラーのやり方に反感を抱く政治同盟の一員で貴族のシュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)は、連合国との休戦交渉を実現させるため、総統を暗殺する「ワルキューレ作戦」の修正案を実行しようとする。しかしそれは、過去40回以上も失敗してきた困難を極めるミッションだった…。

シュタウフェンベルク大佐はじめヒトラーに反感を抱くドイツ将校らがワルキューレ作戦の修正案を実行しようとするが…(『ワルキューレ』)
シュタウフェンベルク大佐はじめヒトラーに反感を抱くドイツ将校らがワルキューレ作戦の修正案を実行しようとするが…(『ワルキューレ』)[c]Everett Collection/AFLO

ドイツ人としての誇りを胸にクーデターに打って出る将校たちを力強く描いた本作には、製作総指揮も務めたトム・クルーズをはじめ、ケネス・ブラナー、ビル・ナイ、テレンス・スタンプほか錚々たる演技派が結集。爆弾によるスリル満点の暗殺計画のほか、それぞれの思惑で揺れる反ヒトラー陣営の人間模様、シュタウフェンベルクと家族の絆の物語、多くはないが重量級のアクション描写も見応えがある。監督は「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガーが務めた。

暗殺の模様がスリル満点に描かれる(『ワルキューレ』)
暗殺の模様がスリル満点に描かれる(『ワルキューレ』)[c]Everett Collection/AFLO

Uボートの無力化作戦にはみ出し者たちが挑む『アンジェントルメン』

「シャーロック・ホームズ」シリーズや『コードネーム U.N.C.L.E.』(15)のガイ・リッチーと「トップガン」や「バッドボーイズ」など数々の人気シリーズを製作してきたジェリー・ブラッカイマーが手を組んだスパイアクション『アンジェントルメン』。規律違反で収監中の軍人ガス少佐(ヘンリー・カヴィル)は、特殊作戦執行部のイアン・フレミング中佐(フレディ・フォックス)から、ナチス・ドイツ軍の潜水艦、Uボートを無力化するため補給船を攻撃する極秘作戦を任される。

【写真を見る】ジェームズ・ボンドのモデルになったといわれるスパイチームのリーダー、ガス少佐(『アンジェントルメン』)
【写真を見る】ジェームズ・ボンドのモデルになったといわれるスパイチームのリーダー、ガス少佐(『アンジェントルメン』)[c] 2024 Postmaster Productions Limited. All Rights Reserved.


本作で描かれるのは、補給路を断つことでUボートを押さえ込もうというポストマスター作戦。ガスは優秀な船乗りから弓の名手でもある怪力男、潜入捜査担当の女優、知略に長けたチェスのグランドマスターまで、“はみ出し者”によるチームを結成し、無謀な作戦に打って出る。堂々と敵のまっただ中へと殴り込む、大胆不敵な暴れっぷりは痛快の一言。メンバー全員がそれぞれナチス・ドイツに強い怒りを持つだけに、容赦ない“アンジェントルマン”ぶりも半端じゃない。ダイナミックなアクション、相手の裏をかくだまし合い、そしてチームプレイのおもしろさと全部盛りのエンタメ大作になった。

“アンジェントルマン”ぶりも半端じゃない!(『アンジェントルメン』)
“アンジェントルマン”ぶりも半端じゃない!(『アンジェントルメン』)[c] 2024 Postmaster Productions Limited. All Rights Reserved.

第二次世界大戦期の軍事作戦を描いた作品はフィクションを含め数多くある。『アンジェントルメン』ほか、「事実は小説より奇なり」を地で行く異色のオペレーションを味わってほしい。

文/神武団四郎

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