長尾謙杜が當真あみにサプライズのプレゼント!『おいしくて泣くとき』初日舞台挨拶
なにわ男子の長尾謙杜が劇場映画初主演を務める映画『おいしくて泣くとき』が4月4日に公開され、同日に初日舞台挨拶が丸の内ピカデリー1で開催。主演の長尾、當真あみ、安田顕、美村里江らキャストと横尾初喜監督が登壇した。最後に長尾によるサプライズ演出もあり、大いに盛り上がりを見せた。
一生に一度の切ないラブストーリーを紡いだ本作の原作者は、『ふしぎな岬の物語』(14)の原作「虹の岬の喫茶店」など、メディアミックスが相次ぐ人気作家、森沢明夫。横尾監督は、森沢原作の映画『大事なことほど小声でささやく』(22)に続いてメガホンをとった。長尾は主人公の心也役を、當真がヒロインの夕花役を、安田が心也の父・耕平役を、美村が母の南役を演じた。
全国246スクリーンの劇場ともライブビューイングを繋げたこの日の舞台挨拶。映画の上映を終えたばかりの会場に、すすり泣く観客がたくさんいるなかで、長尾が「無事に初日を迎えることができてとても嬉しい気持ちでいっぱいです」と感無量の挨拶。観客が長尾に会うため、涙を振り払って、入念な化粧直しに励んでいたことをMCの伊藤さとりが伝えると、長尾が「みなさん、涙を流していてもお綺麗ですよ」とサービストークをし、会場を和ませた。
5年前に原作と出合って以来、映画化を夢見続けていたという横尾監督は「胸がいっぱいです。森沢先生の小説は、読んでいて頭の中にビジュアルが思い浮かぶ素晴らしい小説。映像化することにとてもプレッシャーを感じていました」と緊張の面持ち。対して読書家で執筆活動もする美村は、「私は本好きな人間なので、小説の映像化には厳しいのです。特に、本作のような“いいお話”は映像化が難しい。正直にいうと『なんぼのもんじゃ』という態度で完成した映画を観させていただいたのですが、本当に素晴らしい作品でした。でも、それは初めて横尾監督にお会いした際、何度も読み込んで角が取れて丸くなった監督の私物の本を見たときから確信していました」と横尾監督をねぎらうと、監督からも安堵の笑顔が漏れた。
改めて心也役を演じることを振り返った長尾は、「30年間、1人の人を一途に愛するっていうことはすごく難しいと思うんです。説得力ある物語にするためには、青年期の心也の時間がかけがえのないものじゃないといけないなと思ったので、1つ1つのシーンをどれだけ充実したものにできるかを常に考えていました。物語の核となる、心也の『夕花を守りたい』という強い気持ちを大切に生きていました」と真摯な言葉を口にする。
安田は、「長尾くんと當真さんが素敵に演じた心也と夕花の年代だからこそのピュアさに泣けます。本作は家族が主題ですが、子どもは親を選べません。そのため辛い境遇にいる夕花を思って心也が行動を起こす、たった1日の逃避行に心打たれます」と映画の魅力を力説した。
そしてこの日、30年後の夕花役を女優の尾野真千子が演じていることが発表された。尾野とは親子役で共演した経験を持つ當真は「もちろん私は尾野さんの出演を知っていたのですが、30年後の夕花の姿をスクリーンで見て自然と涙が出てきました。尾野さんの素敵な芝居に泣いてしまいました。役を引き継いでもらえて本当に幸せです」と喜びをかみしめた。
また、劇中で心也と夕花が重要な約束をすることにちなみ、「約束したいこと」をテーマにフリップトーク。「小さないいこと」と書いた横尾監督は、「映画の舞台でもある子ども食堂について知ってもらいたい。この映画を観て、1つでもいいことができるように、踏み出していただけたらなと思います」と願いを込めた。
「アクティブレスト」と書いた美村は、「40代、昔の言い方ですと初老になりました。やっぱり寝るだけではとれないなにかを感じ始めて、疲れたなってときこそウォーキングをしたりして身体を動かすようにしています」と堂々と披露。安田は「背中で魅せる」と書き、「私も51になって背中がつるようになりましたけど(笑)、どんどん年をとっていくと、もう顔は抜かれないんじゃないかと思いまして、背中で魅せる俳優<背中越し俳優>を目指したいと思います」と抱負を語った。
「元気でいること」と書いた當真は「去年インフルエンザになり、俳優というお仕事は替えがきかないということを身をもって知りまして、体調管理を気をつけようと思いました」とコメント。最後に長尾は「今を大切に」と書き、「今日、ここにいる皆さんと会えるのは今日限りのように、1つのシーンを演じるうえでも、その時にできる演技はその瞬間にしかないと思うので1つ1つの時間を大切にしていきたいです」とエモーショナルな言葉を残した。
舞台挨拶終盤で「ちょっとお待ちください」と長尾が突然ステージから降壇すると、その後、大きな花束を持って再登場!「僕たち、クランクアップの時に、あみちゃんから四つ葉のクローバーの栞をいただきまして。いまでも大切に持っているんですけど、今日はチーム全員からそのお返しです!」と映画のチームを代表して當真に感謝の花束を贈呈。當真は「びっくりした!」と目を丸くしながらも、「ありがとうございます。でも特に深い意味を込めて栞を渡していたわけでは…」と口ごもり、会場を笑いで包んだ。
最後に長尾は「この作品は人が人を大切に想う気持ちがとても強く描かれているので、皆さんも1日1日を大切に、そしてみなさんの周りの人たちを大切に思って日々を過ごしていただけたら嬉しいなと思っています。僕たちもこれからたくさんの幸せであったり、楽しいこと、驚きを皆さんに見せていけるよう頑張るので、応援よろしくお願いします。あと映画を気に入ってくださったらぜひ周りの人に伝えてください!」と締めくくった。
文/山崎伸子