『グレイテスト・ショーマン』監督最新作としても話題!英国が誇るポップスターで“サル”になったロビー・ウィリアムスとは?
ソロアーティストとして大成功を収めるが…
ソロ活動をスタートした当初は苦戦を強いられたものの、1997年にリリースしたシングル「エンジェルス」が世界的大ヒットを記録し、98年の「ミレニアム」では全英1位も獲得。01年にフランク・シナトラの楽曲をカバーしたニコール・キッドマンとのデュエット「サムシン・ステューピッド」が話題となり、03年には英国のネブワースで開催した野外コンサートで37万5000人を動員するなど、ソロアーティストとしての華々しい成功は先述したとおり。しかし、どんなに売れても内省的な性格でもあるウィリアムスの不安は拭い切れなかったようだ。
よりよい人間=ベター・マンになったロビー・ウィリアムス
映画では、その部分を物語の核に置いている。グレイシー監督はウィリアムスの伝記映画の製作が決まった際、彼に何度も取材したが、そのたびに「あの時、俺はサルのように踊っていた」、「サルのようにパフォーマンスしていた」といったネガティブな言葉を耳にしたという。ならいっそ、君をサルとして描こう!そんな突拍子もないアイデアにウィリアムスが乗ってきたことで、本作は類稀な音楽伝記映画となったのだ。
現在51歳のウィリアムスは、いうまでもなく立派な大人だ。サルのように踊っているだけではないし、ドラッグ癖とも縁を切った。宿敵だったリアム・ギャラガーとは和解している。それは“よりよい人間(=ベター・マン)”になりたいという姿勢の表れ。若さゆえのヤンチャを経て成長する、そんなロビー・ウィリアムスに興味を抱いたなら、ぜひ本作を観てみてほしい。
文/相馬学
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