「全身が震えた」…リマスターで衝撃度マシマシ!『セッション』の鬼教師は令和にどう評価される?
「時代的にはNG」…スパルタ教師フレッチャーの指導はあり?なし?
シモンズ演じるスパルタ教師フレッチャーのキャラクターはやはり強烈。苛烈な指導ぶりは前述の通りだが、シモンズがアカデミー賞助演男優賞を受賞するなどその演技は高く評価されている。スクリーンいっぱいに迫ってくるフレッチャーの顔面も4K&Dolby Atmosによって迫力倍増。試写会に参加した10代、20代の若い世代の多くは、「怖い」「しんどい…」という反応を示していた。
今回、本編上映後には春とヒコーキの土岡哲朗が登壇するトークイベントも実施され、作品を観終えたばかりの参加者に率直な感想や意見を聞く場面があった。そのなかで「フレッチャーの指導はありか?」という質問が投げかけられると、やはり大勢が「なし」と回答。アンケートにも「いまの時代には合わない。怖さによるストレスがある」(30代・女性)、「ヒステリーすぎてしんどい」(20代・女性)というコメントが寄せられている。
一方で、全面的に賛成とはいかないまでも「理解はできる」という声もあった。
「いまだとパワハラに捉えられるが、高みを目指したいという意気を感じた」(30代・男性)
「狂気じみていると思ったけど、生徒を偉大な音楽家にしたいという想いを知った時に、誰かを極限まで追い込んでしまうのも、愛ゆえなのかな?と思ってしまった」(10代・女性)
「現代では決して認められないだろうが、あれくらいの指導者がもしいたらすべてが変わりそう」(10代・女性)
「偉人を生みだすのは個人の才能だけではなく、誰かの導きで作られるものでもあると思った。現代は達観している人が多い気がしていますが、筋を通して“本気”で生きるとこうなるのかもしれません」(20代・男性)
いかなるハラスメントも決して容認できるものではない。しかし、フレッチャーの指導によってニーマンの演奏が飛躍的に向上したのも事実。そこをどう捉えるかによっても受け止め方は変わってくるようだ。
「狂っていくのに少し共感」…主人公ニーマンの変貌ぶりにも様々な意見が
主人公ニーマンを演じたのは、のちに『トップガン マーヴェリック』(22)にも出演するテラー。当初はフレッチャーの指導に怯えるしかなかったが、幼いころからの夢を叶えるため、音楽以外のすべてを捨てる覚悟で猛特訓に取り組み、手にいくつものマメができ、それが潰れて血だらけになりながらも主奏ドラマーのポジションを獲得する。しかしその過程で、交際していた恋人に「練習の邪魔だ」と別れを告げ、親類やバンドメンバーにも傲慢な態度を取るなど性格も変貌してしまう。
このようなニーマンのキャラクターは、「正直、恐怖があった」(20代・男性)、「狂気」(20代・女性)、「狂ったように没頭するのがなにかに取り憑かれているようで怖かった」(10代・男性)とフレッチャーと同様に怖がられている印象。と同時に、ここまで熱中できるものがあることが「羨ましい」という意見もあった。
「ここまで一つのことに没頭できるのは素直に羨ましいと感じた」(10代・女性)
「反骨精神からくる努力がすごかった。自分もうまくなりたい。でも、ここまでの努力をまだしていないので、自分の人生ももっと無限大の広がりがあると思った」(20代・女性)
「ドラムにのめり込むにつれて狂っていくのが少し共感できてしまった。私も先日まで大学受験をしていて、追い詰められて自分の世界がすごく小さく見えてしまい、受験のことしか頭になくなっちゃった経験があったので」(10代・女性)
「ニーマンが没頭していくにつれ、観ているこっちもさらに没入できた」(10代・女性)