春休み戦線は『映画ドラえもん』と『ウィキッド』の“2強”確定?『のび太の絵世界物語』がシリーズ6年ぶりのV3で一気に加速
3月21日から3月23日までの全国映画動員ランキングが発表。本格的に春休みがスタートし、新作タイトルが続々と公開を迎えるなかでも、「映画ドラえもん」はやはり強い。公開3週目を迎えた『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(公開中)が今週も首位を守り抜き、3週連続のNo. 1を達成した。
『映画ドラえもん』『ウィキッド』の2強に『白雪姫』が挑む!
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』の週末3日間の成績は観客動員が28万2000人で、興収は3億4700万円。この3週目末の成績だけで見ると、昨年の『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』(24)の同週末成績との対比で98%とわずかに下回っているのだが、これは直前の3月20日が「春分の日」の祝日であったことで、観客の入りが分散したことが影響しているのではないだろうか。
公開初週末(3月7日から9日)の動員が57万1000人、2週目末(3月14日から16日)の動員が46万7000人で、そこまでの累計成績が114万人だったので、最初の平日4日間(3月10日から13日)の動員は10万2000人ほど。しかし、この3週目末までの累計動員は177万人。つまり1週間で63万人増えており、先述の週末3日間の動員数を引いて導きだされる3月17日から20日までの平日3日間+祝日1日の動員は34万8000人となる。春休みのスタートと共に勢いが加速していることは一目瞭然だ。
ちなみに3週目末の時点での累計興収は21億円と、コロナ禍を経て通常の春休み公開に戻った近4年では最速で興収20億を突破。また、意外にも「映画ドラえもん」シリーズで3週連続1位を獲得するのは、6週連続1位で興収50億円を突破した『映画ドラえもん のび太の月面探査記』(19)以来6年ぶり。同作は3週目末の時点で累計動員175万人&興収20億円であり、今年の『のび太の絵世界物語』はそれを上回る好ペースといえよう。
一方、公開3週目を迎えた『ウィキッド ふたりの魔女』(公開中)と、3月20日に公開を迎えたディズニーの実写版『白雪姫』(公開中)の洋画実写ミュージカル映画対決は、前者に軍配。週末3日間で動員16万3000人、興収2億7100万円を記録して2位にランクインした『ウィキッド』は、累計成績で動員113万人&興収18億1700万円を突破。同じようにブロードウェイの人気ミュージカルを映画化した『キャッツ』(19)の興収をあっさりと超えることに成功した。
対して3位スタートとなった『白雪姫』は、週末3日間で動員13万1000人、興収1億9700万円を記録。初日を含めた4日間では動員21万8000人、興収3億2600万円と、4日間の成績でみても実写版『リトル・マーメイド』(23)の初週末3日間の成績の半分にも届かない苦しいスタートに。SNSでは辛辣な声が目立っており、オリジナル作品の知名度と人気の高さがかえって仇となってしまったのか。今年の春休み戦線は、『映画ドラえもん』と『ウィキッド』の“2強”でほぼ確定となりそうだ。