日本のハードワーカーたちは、権力者への逆襲エンタメ『ミッキー17』をどう観た?「いい意味ですごくイライラした」「後半はずっと応援しながら観ていた」
上司に『ミッキー17』を薦めて、労働環境が改善!?
さて「この映画を職場の人に薦めるなら?」との質問には、ハードワーカーたちの本音が次々と飛びだす結果に。新卒で入社したブラック会社の同期たちに「あの時の“私たち”の話だよ!」(20代・女性)と伝えたいという声や、これから社会人になる友人に「常に社会にいる限り、僕たちは誰かを食い物にしているというメッセージを伝えたい」(20代・男性)と、劇中のブラック企業を完全に自分ごととして捉えている人が多数。
また、同僚や後輩に対して
「ちゃんと契約書を読まないと大変なことになるから気をつけろ!」(20代・男性)
「まだがんばれると思える」(30代・男性)
「使い捨てられる前に逃げる方法がわかる映画」(20代・女性)
と、厳しい労働環境を乗り切るためのヒントになる作品だという声もあがる一方で、ミッキーのような逆襲に繰りだす前に上司に警鐘を鳴らそうと企てる人も。
「部下の声に等身大で向き合うべきと伝えたい」(20代・男性)
「ひどい上司のもとで使い捨てで使われるどん底おちこぼれの復讐劇です。部下は大切にしましょうね」(30代・女性)
「(会社の社長に)とてもおもしろいですよ。共感できるかはわかりませんけど」(30代・女性)
ポン・ジュノ監督らしさが詰まった、まさに集大成
『パラサイト 半地下の家族』と同様に上下格差をテーマに、『スノーピアサー』(13)のようなどん底からの逆襲を、魅力的な登場人物たちとユーモアも交えながら描く本作はまさにポン・ジュノ作品の集大成!
「シリアスとコメディの絶妙なバランス。人間を人間たるものとしてエモーショナルに描くのがうまい」(30代・男性)
「おろかで利己的な人間をコメディタッチに描くのに、不快感のない不思議さが大好き」(20代・女性)
「メッセージ性の強さ!天才だと思う」(30代・女性)
と、ポン・ジュノ監督のファンからも熱烈な支持を獲得。
はたしてミッキーの逆襲は成功するのか? 「テンポが良く飽きる隙がない。必ず思いもよらない展開になって、予想がつかない」(20代・女性)という声もあがる“逆襲エンタテインメント”をスクリーンで目撃し、スカッとした状態で新年度を明るく楽しく迎えよう!
文/久保田 和馬