『早乙女カナコの場合は』『きみに読む物語』『糸』…どうしても忘れられない”特別な恋”を描く、共感必至のラブストーリー
相手のダメなところを知っていても見放せない『早乙女カナコの場合は』
柚木麻子の小説「早稲女、女、男」を、女性作家の物語を独自の世界観で映像化する手腕に長けた矢崎仁司監督が映画化した『早乙女カナコの場合は』。本好きで、編集者になる夢を持つ大学生のカナコと、演劇サークルの先輩で脚本家を志す長津田を中心に、長津田に片想いするサークルの後輩、麻衣子、カナコに片想いする編集者の吉沢、吉沢の同僚で元カノの亜依子といった面々が、カッコ悪くてかわいらしい、等身大の恋愛模様を繰り広げる。
カナコ役は、もともと柚木作品のファンだという橋本愛。カナコの恋人となる長津田役は中川大志。また、麻衣子役の山田杏奈、吉沢役の中村蒼、亜依子役の臼田あさ美といった演技力に定評のあるキャスト陣が、それぞれ性格はまったく違うけれど、好感度が高く、応援せずにはいられない不器用でピュアなキャラクターたちを親近感たっぷりに演じている。
カナコと長津田の運命の出会いは、カナコが大学に入学した春のサークル勧誘。ジャン・ユスターシュ監督の映画が好きという共通項を持つ2人は、すぐに付き合い始め、3年の月日が経つ。インターン先の大手出版社から内定をもらった、しっかり者で生真面目なカナコに対し、留年を繰り返し、卒業も就職もする気がなく、脚本家志望のくせに1本も書き上げられないダメダメな長津田。対照的に見える2人だが、もともと人は自分にないなにかを持っている人に惹かれてしまうもの。カナコと長津田の場合、ケンカをしても、別の人からアプローチされても、結局、心のなかで一番大きな場所を占めているのはお互いの存在なのである。
合わないなぁと思いつつ、嫌いになれず、付かず離れずの関係を続けてしまう。ラブストーリーとしては、ドラマチック性に少々欠けるものの、現実の世の中では、こういうパターンは結構多いのではないだろうか。このなんともいえない絶妙なリアリティが本作の大きな魅力だ。それゆえに、カナコが卒業して社会人になって以来、もはや会うこともなくなってしまった2人の久しぶりの再会には、かなりドキドキさせられる。全編を通して重要なモチーフとなっている、カナコが買ったペアリングの行方にもぜひ注目してほしい。
また、本作のもう1つの見どころは、3人の女性たち、カナコ、麻衣子、亜依子の関係性。カナコと麻衣子、カナコと亜依子、それぞれの関係は、傍から見れば、完全に恋のライバル同士なのだけれど、カナコのさっぱりした性格もあって、彼女たちは恋敵になるどころか、温かい友情を育んでいく。相手の想いを尊重するカナコの自然体のスタンスが、麻衣子や亜依子の考え方を変えていくという展開がさわやかで、見ていてとても心地よい。
お互いの性格や別れ方によって、復縁のパターンは実に様々。それでも、別れたあとは自分の気持ちにしっかり向き合うこと、変なプライドを捨てて、自分の気持ちを相手に素直に伝えることなど、共通するポイントはいくつかある。忘れられない人と、もう一度会いたい、できればヨリを戻したいと思った時、復縁をテーマにした作品たちを観れば、今度こそ、相手といい関係を築くための大事なヒントがもらえるかもしれない。
なお、『早乙女カナコの場合は』は“au推しトク映画”にラインナップされており、「Pontaパス」会員特典として、全国の対象映画館でおトクに楽しむことができる。対象劇場である全国のTOHOシネマズ、ローソン・ユナイテッドシネマグループ、コロナシネマワールド、OSシネマズなどで、土日平日いつでも1100円で鑑賞可能。Pontaパス会員、同伴者1名まで特典が利用できるので、クーポンサイトを確認のうえ、映画館で楽しんでほしい。
文/石塚圭子
対象劇場 :全国のTOHOシネマズ、ローソン・ユナイテッドシネマグループ、コロナシネマワールドなど
料金: 一般・大学生1,100円、高校生以下900円
※別途、追加料金が必要な特殊上映や特別席がございます。
対象: Pontaパス会員、同伴者1名まで特典がご利用いただけます。
利用条件: 会員ならいつでも、公開期間中何度でも対象の映画が割引となります。
事前購入: 各劇場のHPをご確認ください。
利用方法: 映画『早乙女カナコの場合は』 auクーポンサイト

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