3年連続の興収40億円超え達成なるか?ファン大絶賛の『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』が近年最高のスタート
『ウィキッド』が待望の公開!気になる初動成績は?
2位に初登場を果たしたのは、2003年にブロードウェイで初演された人気ミュージカルを実写映画化した2部作の前編『ウィキッド ふたりの魔女』(公開中)。先ごろ発表された第97回アカデミー賞では、作品賞など10部門にノミネートされ、衣装デザイン賞と美術賞の2部門を受賞している。
初日から3日間の成績は、動員32万1000人で興収は5億1900万円。近年公開された代表的なミュージカル映画と比較してみると、最終興収23億7000万円だった『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23)対比120%以上、同13億5000万円だった『キャッツ』(19)対比で動員は123%、興収が148%とかなり上々なスタート。同52億2000万円だった『グレイテスト・ショーマン』(18)との比較では、動員はあと一歩届かなかったものの、興収はわずかに上回っている。IMAXなどラージスクリーンフォーマットの効果だろう。
最初に映画化の話が報じられたのは初演の翌年のことで、そこから数えると実に20年以上。具体的な進行が伝えられるようになってからも10年以上経ち、一時は企画が白紙になったものの、ようやく実現に漕ぎ着けた『ウィキッド』。メガヒットとなった海外での公開からも3か月以上遅かったとあって、待ち望んできたファンが多く詰めかけたことが、この初動成績に反映されていると見える。洋画不況が顕著ないま、それを打破するだけの勢いを備えた同作。今後の動向に注目しておきたい。
一方、3位に初登場を果たしたのは笑福亭鶴瓶と原田知世が夫婦役を演じた『35年目のラブレター』(公開中)。こちらは初日から3日間で動員14万3000人、興収1億9000万円を記録。このところ続いている“ラブストーリーブーム”のなか、ほかの作品よりもターゲットとなる年齢層が高めの同作も大健闘を果たしている。
前週1位に返り咲いた『ファーストキス 1ST KISS』(公開中)は4位に後退したものの、この週末も動員10万2000人、興収1億5600万円を記録して好調をキープ。累計成績では動員138万人&興収19億円を突破。また前週2位に初登場を果たした『知らないカノジョ』(公開中)も6位となったが、SNSによればリピーターはもちろん、中高年の男性客など客層が広がりを見せていることも窺える。『366日』(公開中)は10位となり、トップ10の半分が実写の邦画ラブストーリーとなった。
そして8位にもラブストーリーの新作がもう1本、「花とゆめ」で連載中の安斎かりんの同名コミックを、宮世琉弥主演、ヒロイン久間田琳加で実写化した『顔だけじゃ好きになりません』(公開中)がランクイン。少女漫画原作のラブコメであるという点で、現在のブームとは少々毛色の異なる同作。とはいえこのブームの効果で、10年前に一世を風靡した少女漫画ラブコメも勢いを取り戻す可能性は充分に考えられる。
以下は、1~10位までのランキング(3月7日〜3月9日)
1位『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
2位『ウィキッド ふたりの魔女』
3位『35年目のラブレター』
4位『ファーストキス 1ST KISS』
5位劇場版『トリリオンゲーム』
6位『知らないカノジョ』
7位『アンダーニンジャ』
8位『顔だけじゃ好きになりません』
9位『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』
10位『366日』
今週末は、福本莉子とSixTONESのジェシーが共演するラブコメディ『お嬢と番犬くん』(3月14日公開)、アニメ「劇場版モノノ怪」シリーズの3部作の第2章となる『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』(3月14日公開)、第97回アカデミー賞でハリウッドメジャー作品を抑えて長編アニメーション賞を受賞したラトビアのアニメ映画『Flow』(3月14日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬