『リボルバー』で悪役開眼!チ・チャンウクが演じるヴィランやダークヒーローに心惹かれる

コラム

『リボルバー』で悪役開眼!チ・チャンウクが演じるヴィランやダークヒーローに心惹かれる

甘く端正なマスクから“アジアの貴公子”の異名を持ち、数々の恋愛ドラマでファンの心をつかんできたチ・チャンウク。そんな彼が公開中の映画『リボルバー』でアンディという悪役を務め、ファンからは“香水をふりまいた狂犬”と呼ばれている。とくに近年は恋愛ドラマだけでなく、『最悪の悪』(23)や『江南Bサイド』(24)といった作品でヴィランやダークヒーローなど今までとは異なるハードな役柄に果敢にチャレンジしているチ・チャンウク。今回はそんな彼のワイルドな魅力が際立つ作品を紹介していこう。

『リボルバー』は、カンヌ国際映画祭女優賞に輝いた『シークレット・サンシャイン』(07)などで知られるチョン・ドヨンが、『無頼漢 渇いた罪』(15)に続いてオ・スンウク監督とタッグを組んだ復讐劇だ。恋人の裏金問題に巻き込まれ、罪をかぶる見返りに報酬をもらう約束をして服役したスヨン。だが、出所後、約束は反故にされ、全てを失ったスヨンは裏切った相手に報酬を払わせるべく動き出す。やがて投資会社の理事アンディ(チ・チャンウク)こそが服役前、約束をした張本人とつかんだスヨンはリボルバーを片手にアンディのもとへと乗り込んでいく。

【写真を見る】チョン・ドヨンやイム・ジヨンら共演陣も『リボルバー』のチ・チャンウクの演技を絶賛!
【写真を見る】チョン・ドヨンやイム・ジヨンら共演陣も『リボルバー』のチ・チャンウクの演技を絶賛![c]2024 PLUS M ENTERTAINMENT, SANAI PICTURES AND STORY ROOFTOP ALL RIGHTS RESERVED.

「病んだ皇帝のよう」と監督が絶賛!『リボルバー』のアンディ

ほとんど無表情で寡黙、全身に静かな迫力をみなぎらせて、強い信念を持つスヨン。そんな彼女を裏切り、激しく対立するアンディはアニマル柄の成金趣味的なシャツを着て、ヘラヘラと不気味な笑いを浮かべてわめき散らし、手下をボコボコにする。演じるチ・チャンウクはテンションMAXでアンディのエキセントリックさを体現し、金と欲に群がる人物たちが登場する物語に緊張感を与えている。

役作りに当たってチ・チャンウクは「アンディの過去と現在、その間にある事情を理解することに集中した。監督もたくさん教えてくれた。おもしろい衣装もたくさん準備してくれた。衣装合わせをしてから、いっそうキャラクターがはっきりした」と語っている。下品で狂犬のようなアンディはクライマックスで一瞬、人間らしさをのぞかせるが、それもチ・チャンウクが演じればこそ。オ・スンウク監督も「シナリオにあるセリフをはるかにおもしろく表現してくれて最高のキャラクターを作り上げてくれた。まるで病んだ皇帝のような複雑なキャラクターを実にうまく表現してくれた」と絶賛。この演技でチ・チャンウクは韓国映画製作作家協会賞で男優助演賞を受賞している。

声で人間の恐ろしさを表現した『ハード・ヒット 発信制限』

チ・チャンウクが初めて悪役に挑戦したのは、2012年のドラマ「蒼のピアニスト」だろう。音楽一家に生まれた異母兄弟の愛憎劇で、脚本を「ペントハウス」シリーズや「7人の脱出」などマクチャンドラマの大家キム・スノクが担当。「宮(クン)Love in Palace~」「魔王」に出演し、当時アイドル的人気を誇っていたチュ・ジフンと共演した。チ・チャンウクはピアニストとしての天賦の才を持つ異母兄に凄まじい嫉妬心を燃やし、初恋の少女の存在によって憎悪を向けていく弟役を務めた。ちょうど「笑ってトンヘ」のヒットで人気スターの仲間入りをしたばかりだっただけに思い切ったチャレンジだったが、好青年のキャラクターだけに留まらない、真逆の屈折した人間の苦悩や葛藤を表現したことでビジュアルだけではなく演技力も注目されることとなった。

主人公を翻弄する犯人に扮した『ハード・ヒット 発信制限』
主人公を翻弄する犯人に扮した『ハード・ヒット 発信制限』[c]Everett Collection/AFLO

映画での初悪役は『ハード・ヒット 発信制限』(21)。毎朝、車で我が子を学校まで送り届ける銀行支店長のソンギュ(チョ・ウジン)のもとに、ある朝,1本の電話がかかって来ることから始まる物語で、スペイン映画『暴走車 ランナウェイ・カー』(15)を韓国でリメイクしたアクションスリラーだ。「車から降りれば、仕掛けた爆弾が爆発する」とスマホ越しに聞こえてくる謎の男の脅迫で、ソンギュは後部座席に子供を乗せたまま、釜山の街を走るしかなく、テロ犯と間違われて警察とカーチェイスするハメになる。チ・チャンウクが演じるのは、姿は見せず、スマホ越しにソンギュを脅迫する謎の男。淡々とした口調で冷たく言い放ってみたり、時には感情的にまくし立てたりと、緩急を織り交ぜて目的のためなら冷酷になれる人間の恐ろしさを表現。物語に引き込む声の演技は秀逸で、正体を現してからも、ゾクッとするような追い詰められた人間の凄みを全身から放っている。同作はチ・チャンウクにとって除隊後初の出演映画であり、いい意味で新境地を開いた作品となった。




チ・チャンウク ジャパンオフィシャルファンクラブ
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