MGMとワーナーの海外配給提携でなにが変わる?ティモシー・シャラメ最新作など今後注目の映画たち
ロン・ハワード監督作『13人の命』やビリー・ポーター初監督作もAmazon Prime Videoで配信中!
また、Amazon Prime Videoで配信された初のMGM作品となったロン・ハワード監督作『13人の命』は、Amazon Studioの世界配信戦略に基づき世界同時配信が決定されたと、Amazon Studioの代表、ジェニファー・サルケ氏がVarietyに語っている。『13人の命』は、8月5日の配信開始1週間前よりUAが北米で劇場公開している。今作は当初、MGMとUAによって2022年4月15日に北米劇場公開が予定されていたが、モニター試写での評判が高く、賞レースへの期待を込めて2022年11月18日公開に延期されていた。2018年にタイ北部で起きた洞窟遭難事故救出活動を映画化した今作は、グローバルの視聴者に訴求する題材とテーマを持ち、映画シーズンの夏に公開することで賞レースの早期候補として際立つと考えられたという。
MGM作品のうち、ビリー・ポーターの監督デビュー作『エニシング・イズ・ポッシブル』は配信中、シルヴェスター・スタローン主演のジュリアス・エイヴァリー監督作『サマリタン』は8月26日よりAmazon Prime Videoで世界配信される。それ以外のMGM作品については、上記で挙げたような例外を除いてワーナー・ブラザーズが日本でも劇場配給を手掛けることになる。
8月31日に開幕する第79回ヴェネチア国際映画祭でワールド・プレミアとなるグァダニーノ監督の『Bones And All』は、グァダニーノ監督とティモシー・シャラメ、マイケル・スタールバーグが2017年の『君の名前で僕を呼んで』以来再集結する作品。共演には、テイラー・ラッセル、マーク・ライランス、クロエ・セヴィニーらが名を連ね、音楽にトレント・レズナーとアッティカス・ロスを迎えている。『Bones And All』が、ワーナー・ブラザーズによって配給される初のMGM映画ということになる。
Amazon Studioは、グァダニーノ監督の『サスペリア』(18)、ティモシー・シャラメ主演の『ビューティフル・ボーイ』(18)をAmazon Prime Video配信前に劇場配給し、そのほかにも数々の作品を映画館で上映してきた。ワーナー・ブラザーズとの国際配給提携により、Amazon StudioのMGM作品はアメリカだけでなく海外の映画館でも鑑賞できるようになる。まずは、第一弾となる『Bones And All』の公開決定情報を心待ちにしたい。
文/平井 伊都子