監督/編集
ニューヨークに実在したシネフィルの聖地“キムズビデオ”の5万5000本に上る貴重なビデオ・コレクションの行方を巡るドキュメンタリー。2008年、閉店に追い込まれた“キムズビデオ”は、大量のコレクションをシチリア島の小さな村に譲渡するが……。ワールドプレミアとなったサンダンス映画祭を始め、世界各地の映画祭で大きな話題を呼んだ。
ストーリー
ニューヨークの映画ファンが通い詰めたレンタルビデオショップ“キムズビデオ”。そこは、5万5000本もの貴重かつマニアックな映画の宝庫だった。配信サービスの隆盛で閉店に追い込まれた2008年、謎めいた社長キム・ヨンマンは、大量のコレクションをイタリアのシチリア島にある“サレーミ”という村に譲渡することを決意。伝説のコレクションは、4000マイルの旅を無事に終える。ところが数年後、“キムズビデオ”の元会員デイヴィッド・レッドモンがシチリアを訪れたところ、ずさんな管理体制の中、そのコレクションはホコリだらけの湿った所蔵庫で、ひっそりと息を潜めていた。助けを求める映画たちの“声”にかき立てられ、荒唐無稽な奪還作戦が始動。それは、カーニバルの夜、“映画の撮影”と偽り、アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった巨匠たちの“精霊”を召喚し、所蔵庫から映画たちを解放するという、前代未聞の計画だった……。