
永里健太朗
泰明
ドストエフスキーの短編『白夜』に着想を得て、日活社員の太田慶が、紅葉の美しい東京を舞台に、新たなエンディングを提示する。
泰明(永里健太朗)は家庭を顧みずに仕事に打ち込んでいたが、妻の麻美(高崎かなみ)が去ったショックで鬱になって会社を休職。唯一の話し相手は、たまに手土産を持って様子を見にやってくる同僚の岡崎(ジョニー高山)と鉢植えだった。ある日、ぼんやり道を歩いていた泰明は美沙子(北村優衣)とぶつかり、美沙子のバッグから落ちたナイフを拾う。美沙子の後を追い、ベンチで本を読んでいる美沙子に話し掛けると、美沙子は恋人・慎一(釜口恵太)を3年間毎日そのベンチで待ち続けているという。愛は信じることだと強い意志で恋人を待ち続ける美沙子に心惹かれた泰明は、美沙子のもとに通い始める。美沙子が迷いなく話す愛の定義を聞く度に、泰明は自分と元妻の関係を反省。もし美沙子が想っている人が自分だったらと考え、「何か変えてみることでこの悪循環から抜け出せるような気がする」と提案してみるが……。