
ナチスドイツによるポーランド侵攻を機にユダヤ人の迫害やゲットー蜂起の鎮圧といった戦時下の苛烈な歴史が、青年ヤクプ(メルラン)の人生を翻弄する様を描いたアンジェイ・ワイダ監督作。「地下水道」などの初期作では抗い得ないものとしての「歴史」が前面に押し出されたが、歴史の背後に息づく人間の苦悩が詩的なイメージを伴って掘り下げられる。地下活動に身を投じる共産主義者たちに導かれ、死さえ厭わなくなったヤクプの強さが、旧約聖書の英雄サムソンに重ね合わされる。国立映画アーカイブの特集「映画監督 アンジェイ・ワイダ」(2024年12月10日~26日)にて35mmプリントをHD化した版が上映。
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