最新映画ランキング - 国内映画
(2025/6/20~2025/6/22)
2025年6月23日
発表(毎週火曜更新)
2025年6月20日~2025年6月22日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『国宝』『リロ&スティッチ』『フロントライン』などがランクイン!(興行通信社調べ)
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6月20日から6月22日までの全国映画動員ランキングが発表。先々週の公開初週末が3位、先週末が2位と、観客動員数&興行収入を伸ばしながら順位を押し上げてきた李相日監督の『国宝』(公開中)が、公開3週目にしてついにNo.1の座に輝いた。
『国宝』の週末3日間の成績は、動員が34万8000人、興収が5億1500万円。これを公開2週目だった先週末の成績と比べてみれば、動員は112%で興収は114%。さらに公開初週末と比較してみると動員が142%、興収が149%と、あまりにも異例の右肩上がりを継続中だ。
また、先週末(6月15日)時点での累計成績は動員85万人&興収11億9000万円だったが、今週末終了時点での累計成績は動員152万人&興収21億円と急増。今回も現時点の累計成績から、先週末時点までの成績と今週末3日間の成績を差し引いた平日4日間(6月16日から6月19日まで)の成績を概算してみると、動員が約32万2000人、興収が約3億9500万円。1日あたりの平均動員数は、平日でも8万人を超えている。
作品の完成度の高さや、カンヌ国際映画祭を皮切りにした作品評価の高さ、SNSでの口コミの拡散力など、『国宝』の異例のヒットの理由を探していけば枚挙にいとまがないが、今回着目したいのが“天候”だ。あくまでも首都圏を基準にさせてもらうが、先週末は雨に見舞われたものの、週明けから晴れの日が続き、気温も急上昇。最高気温30度を越す日が続いている。
2024年に「Weather X」が公開した「消費統計データから気象の社会影響を分析」という記事によれば、夏期の映画館では日平均気温が1度上がるごとに消費金額は3.1%上昇するといわれている。つまり暑い日こそ、映画館の動員が増すということである。たしかに、天気が良くて外出日和ではあるが、いざ外に出てみたら気温が高く、家に帰るよりも涼しい施設で過ごしたいと考えるのは至極当然な心理といえよう。
もちろんそうなれば、『国宝』以外の作品も選択肢にあがって然るべきところ。2位以下の『リロ&スティッチ』(公開中)、『フロントライン』(公開中)、『ドールハウス』(公開中)、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(公開中)と、数字の詳細については後述するが、ターゲット層が極端に偏らないタイプの作品が前週からまずまずの数字を維持して上位をキープしている点からも、この傾向と合致していることが判断できる。
そのなかでも『国宝』の場合は、平日の動員アップに直結しやすいシニア層にリーチする題材、週末になるとSNSでの拡散をきっかけにして客層の幅が広がることをベースにしつつ、この急激な気温の上昇によって、約3時間という長尺に対するハードルの高さも通常より低くなったのではないかと推測できる。まさに“天を味方につけた”相乗効果であり、ここからさらに暑い日が続くとなれば、話題性の持続力も伴って数字をさらに伸ばしていくことになるだろう。
さて、先週まで2週連続で首位に立っていた『リロ&スティッチ』は、勢いの面では『国宝』に呑まれて2位にランクダウンしたものの、ファミリー層を動員できるという点ではまだまだ優位にあるといえよう。
週末3日間の動員は24万8028人と前週比79%。また興収は3億5223万円と前週比77%の数字をキープしており、累計成績では動員126万212人、興収18億2533万円に到達。初週末の成績では届かなかった実写版『リトル・マーメイド』(23)の2週目以降の動員成績と比較すると、2週目末(先週)が117%、3週目末(今週)が109%と堅実さでは上回っている。これを維持できれば、興収30億円、あるいはオリジナル版の興収(29億1000万円)に届く可能性もあるだろう。
前週に引き続き3位を守り抜いた『フロントライン』は、週末3日間で動員16万5000人、興収2億3300万円と、前週比66〜67%の成績を維持。累計成績では動員60万人&興収8億円を超えており、ヒットの目安である興収10億円到達は確実。また長澤まさみ主演の『ドールハウス』は動員15万8000人、興収2億1800万円で前週比90〜91%。累計成績では動員45万人&興収6億円を突破している。
公開6週目を迎えた『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は、累計成績で動員283万人&興収44億円を突破。前週末から約4億円ほど興収を上乗せしており、着々と興収50億円の大台に近付いている。
新作は2作品がランクイン。イケメン嫌いの陰キャ女子と国民的アイドルの恋模様を描く幸田もも子の同名コミックを、畑芽育となにわ男子の大橋和也のダブル主演で実写映画化した『君がトクベツ』(公開中)は6位スタート。ダニー・ボイル監督と脚本家アレックス・ガーランドがタッグを組んだ『28年後…』(公開中)は18年ぶりの続編というハンデがありながらも10位に入る大健闘を果たした。
そして6月24日(火)に最終話を迎えるのに合わせて、全国368館で再上映がスタートした『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(公開中)は9位にランクイン。今年1月に公開され、すでに興収30億円を超える大ヒットを記録している同作だが、今回の再上映はテレビ放送時に施した修正を反映したバージョンでの上映。多くのファンがふたたび足を運んでいるようだ。
以下は、1~10位までのランキング(6月20日〜6月22日)
1位『国宝』
2位『リロ&スティッチ』
3位『フロントライン』
4位『ドールハウス』
5位『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
6位『君がトクベツ』
7位『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』
8位『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』
9位『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』
10位『28年後…』
今週末は、『トップガン マーヴェリック』(23)のスタッフが再集結を果たし、ブラッド・ピットの緊急来日でも話題の映画『F1(R)/エフワン』(6月27日公開)、三池崇史監督と綾野剛がタッグを組んだ『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』(6月27日公開)、昨年シリーズ初の動員ランキング1位を飾った国民的アニメの劇場版最新作『映画 それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー!』(6月27日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
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