映画ランキング - 国内映画
(2025/8/15~2025/8/17)

2025年8月18日 発表(毎週火曜更新)
2025年8月15日~2025年8月17日に日本国内で上映された映画の観客動員数ランキングはこちら。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』『ジュラシック・ワールド/復活の大地』『国宝』などがランクイン!(興行通信社調べ)

『国宝』が公開11週目でついに興収100億円を突破!『踊る2』以来、実写邦画22年ぶりの快挙で、実写邦画歴代3位に
『国宝』が公開11週目でついに興収100億円を突破!『踊る2』以来、実写邦画22年ぶりの快挙で、実写邦画歴代3位に
『国宝』が公開11週目でついに興収100億円を突破!『踊る2』以来、実写邦画22年ぶりの快挙で、実写邦画歴代3位に

8月15日から8月17日までの全国映画動員ランキングが発表され、公開5週目を迎えた『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開中)が引き続き首位をキープ。その詳細については後述するとして、このお盆休み期間の最大のトピックは、やはり『国宝』(公開中)の快挙だろう。
週末3日間で観客動員36万5000人、興行収入5億4400万円を記録し、前週の5位から3位へ再浮上を果たした『国宝』。6月の公開初週末から続いた“右肩上がり”の興行は6週目末にストップしたとはいえ、10週連続で初週末を上回る週末成績を叩きだし、平日も安定した成績を維持。毎週10億円近くの興収を上乗せしていき、8月17日までの公開73日間で累計動員747万3454人、累計興収105億3903万3400円と、ついに“興収100億円”の大台に到達した。 日本の映画興行において興収100億円に到達した作品は、今回の『国宝』でちょうど50本目。邦画の実写作品に限定すると、『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(03)以来22年ぶり4本目の快挙となる。すでに『踊る大捜査線 THE MOVIE』(98)の興収101億円を超えているので、実写邦画歴代3位。興収110億円で現在同2位の『南極物語』(83)をすでに射程圏内に収めているといえよう。 また、2025年の公開作としては『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』と『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(公開中)に続き3本目。毎年数本は興収100億円を突破する作品が現れるが、そのほとんどが初週末に興収10億円前後かそれ以上の成績をあげている。しかし『国宝』の場合は、初週末興収が3億4600万円。よく比較対象にされてきた『ボヘミアン・ラプソディ』(18)の同4億8700万円をも下回っており、いかに強力な持続力を携えた興行を展開してきたかがわかるはずだ。 この持続力の源はどこにあったのだろうか?単に作品のクオリティの高さや、さまざまな作品に絶大な効果をもたらしているSNSでの口コミの力だけで達成できるほど、“興収100億円”というハードルは低くない。ひとつ考えられることは、興行面でも観客の心理的にもネックになりやすかった“長尺”であるという点が、話題性の高さと伴って「劇場で観なければ」という意欲を強力に促す後押しとなっているのではないだろうか。 多くの場合、長尺作品は配信やソフトで観るよりも劇場向きである。しかも昨今は映画に没入性を求める観客が増加しており、長尺へのハードルが下がっているどころか逆に求められつつもある。興味深いことに『国宝』の場合は長尺でありながら、50年の物語を描くうえでは明らかに短く、物語の密度が高い。そのため、こぼれた部分を補おうとするリピーターを惹きつけたり、原作小説に向かうきっかけとなったりと波及効果も生んでいる。それらを踏まえれば、興収100億円という快挙を成し遂げてもなお、“『国宝』旋風”に終わりは見えないのである。 さて、危なげなく5週連続No.1を飾った『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、この週末3日間で動員121万8000人、興収18億7500万円を記録。累計成績でみると、動員1827万人、興収257億8000万円に到達と、これは前作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)の公開5週目末との対比で動員が104%、興収が111%と上回っている。日本歴代興収ランキングでは『君の名は。』(16)と『アナと雪の女王』(13)を抜き去り4位まで浮上しており、現在3位の『タイタニック』(97)を超えるのも時間の問題。お盆休みが終わっても、まだまだ夏休みのまっただなか。引き続きその推移に注目していきたい。 前週に引き続き2位をキープした『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(公開中)は、週末3日間で動員44万5000人、興収6億9700万円を記録。累計成績は動員196万9307人&興収30億5765万2110円と、2025年公開の洋画作品としては最速で興収30億円を突破。また、初週末成績では「ジュラシック」シリーズの前作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(22)をわずかに下回っていたが、2週目末までの累計成績では上回ることに成功。 劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』(公開中)は週末3日間で動員35万2000人、興収4億8900万円と、前週比89%の成績を記録し4位にランクイン。累計成績では動員244万人&興収32億円を突破。また前週4位に初登場した『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』(公開中)は5位となり、週末3日間で動員24万6000人、興収3億900万円を記録。累計成績では動員106万人&興収13億円と、いずれもお盆休みの効果で好調を保っているようだ。 そして新作タイトルでは、太平洋戦争中に実在した駆逐艦「雪風」の史実を竹野内豊主演で映画化した『雪風 YUKIKAZE』(公開中)が6位に初登場。初日から3日間で動員23万3000人、興収3億1500万円と、まずまず順調なスタートを切った模様。 以下は、1~10位までのランキング(8月15日〜8月17日) 1位『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』 2位『ジュラシック・ワールド/復活の大地』 3位『国宝』 4位『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』 5位『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』 6位『雪風 YUKIKAZE』 7位『近畿地方のある場所について』 8位『星つなぎのエリオ』 9位『事故物件ゾク 恐い間取り』 10位『仮面ライダーガヴ&ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー Wヒーロー夏映画2025』 今週末は、「ジョン・ウィック」シリーズ初のスピンオフ作品となったアナ・デ・アルマス主演の『バレリーナ:The World of John Wick』(8月22日公開)、福本莉子とFANTASTICSの八木勇征がダブル主演を務めた『隣のステラ』(8月22日公開)などが控えている。 文/久保田 和馬


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