ヨン・サンホ監督&ク・ギョファン、東京国際映画祭『コロニー/群体』舞台挨拶で「新しいゾンビの表現」とアピール
第39回東京国際映画祭(TIFF)にて11月4日、クロージング作品である映画『コロニー/群体』(2027年1月1日公開)の舞台挨拶が行われ、ヨン・サンホ監督、ク・ギョファン、プロデューサーのヤン・ユミン、日本語吹替版で声優を務める奈緒、梶裕貴が登壇した。
本作は、謎の感染拡大により封鎖されたソウル都心の超高層ビルが舞台のサバイバルスリラー。感染者たちは単に人間を襲うだけでなく、互いに情報を共有し、集団で学習しながら進化を続けるという恐るべき能力を持つ。ク・ギョファンは謎の生物学者ソ・ヨンチョルを演じ、日本語吹替版では梶がク・ギョファン、奈緒はチョン・ジヒョン演じる正義感や知性で危機に立ち向かうバイオテクノロジー教授のクォン・セジョンの声を担当している。
ヨン・サンホ監督は「今年は『顔 -かお-』や『ガス人間』を日本で披露しましたので、本作も紹介できて非常にうれしく思っています」と笑顔を見せ、「すでに多くの国で公開されていますが、日本での公開は特別です」と挨拶し、大きな拍手を浴びる。本作でこだわったのはゾンビの表現だとし、「アクション、サウンドにもこだわりました。新しいゾンビの形や体の動きが楽しめます!」と見どころをアピールした。
ク・ギョファンは企画の立ち上げ段階で、ヨン・サンホ監督から短いあらすじを聞いていたと振り返る。「どんな役でもご一緒したい!と思いました」とあらすじの段階から本作に引き込まれたと語ったク・ギョファンは、「シナリオが完成し、ソ・ヨンチョル役だと聞いて『奇跡のようだ』と思いました。片思いが叶ったような感じです」とうれしそうに語る。撮影時の心境について、ソ・ヨンチョルという人物を演じたというよりは隣で見守るような気持ちだったと明かしたク・ギョファンは「彼がなぜ問題のある人物になってしまったのか。そういったことに思いを馳せて心がつらくなることもありました。だから、なおさら、みなさんの感想が気になります!」と話し、会場を見渡しながら微笑んだ。
ク・ギョファンの声を担当した梶は「ク・ギョファンさんのお芝居が本当に繊細」と力を込め「表情や動き、息遣いにまで注目していただきたいです」とアピール。新しい感覚で楽しめる映画だとも補足していた。
イベントでは韓国作品が大好きな奈緒が韓国語で気持ちを伝える一幕も。「初の日本語吹替がこの作品で本当に幸せです。不安もありましたが、チョン・ジヒョンさんの演技に引っ張っていただきながら録音ができました。また一緒にお仕事ができるように頑張ります」と伝えた奈緒に、ク・ギョファンは「奈緒さんが出演した映画が韓国で上映されたら、ぜひ、奈緒さんの声を吹替したいです!」と語ると、会場に笑い声が響き渡る。「梶さんに対しても同じ気持ちです!」とク・ギョファンが続けると、梶もニッコリして、3人で深々とお辞儀。ヨン・サンホ監督も自身が手掛けたNetflix作品も日本語吹替版で観ることが多いと明かし、「ぜひ本作も日本語吹替版で観てみたいです!」と話していた。
また、アニメ作品からキャリアをスタートさせたヨン・サンホ監督が「影響を受けたのは辰巳ヨシヒロさんの作品です。日本の劇画マンガの創始者と呼ばれています。最近は大好きな押井守監督が手掛けた『装甲騎兵ボトムズ』を楽しみにしています」と笑顔を見せると、梶は「実は私、今月公開の『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女』に出演しているんです!」とアピールし、ヨン・サンホ監督と微笑み合い、お互いにペコリとお辞儀して、会場を和ませていた。
最後の挨拶でヨン・サンホ監督が「爆弾発言をしたいと思います!」と宣言し、会場をざわつかせる。「ソ・ヨンチョルが犯人です!」と暴露したヨン・サンホ監督が「これは映画が始まってすぐに出てくる情報なので心配しないでください」とネタバレOKの内容だとニヤリとしながら説明。ク・ギョファンは「映画を観終わったら、映画について話しながら帰るのもいいかもしれません。たくさんのことを考えさせてくれる映画です」と呼びかけ、大きな拍手を浴びステージをあとにした。ク・ギョファンはフォトセッション時にファンからのメッセージボードを受け取ったり、会場を出る際には、出口の反対側まで走って戻り、ファンから直接ファンレターを受け取るなど、ファンに寄り添った対応を見せ、会場を沸かせていた。
第39回東京国際映画祭(TIFF)は、日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区を中心に10月26日から11月4日まで開催し、合計204本の映画が上映された。
取材・文/タナカシノブ

