『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』塚本晋也が東京国際映画祭で映画監督を目指す若者と交流!「デジタルというキャンパスの上で誰もが映画を作れる」
――これから映画監督を目指す若者に向けてなにをすべきかメッセージをお願いします。
「僕が映画を撮り始めた頃と比べると、いまはずっと制作環境がよくなっています。『鉄男』は16mmフィルムで撮られているのですが、製作費のほとんどはこのフィルムと現像代に費やされました。いまは性能のいいデジタルカメラや編集機器があり、デジタルというキャンパスの上で誰もが映画を作れるようになりました。このような土壌もあるので、とにかく作品を作り続けてほしいです」
――3年ほど前、新聞のインタビューで塚本監督が「そろそろ違うものを作りたい」と話していました。新作の構想はありますか?
「戦争を題材にした作品がこんなに続くとは思っていなくて。当初は『野火』が映画化できればよかったのですが、世の中の状況は変わらず不安が消えることはありませんでした。そこで時代劇など昔からやりたかったことを組み合わせながら、戦争映画を撮り続けてきました。戦争のことを考えると鬱々としてくるのですが、僕は一番関心のあるものしか作れないので」
――いま大学で映画を学んでいます。節約のために自分が俳優として出演することもあるのですが、気になることが増えて時間が余計にかかってしまいます。塚本監督がご自身の監督作に出演される時はなにを意識していますか?
「僕の場合は節約ではなく、自分が演じるべき役を振り分けているにすぎません。その時は最初から自分で演じるのではなく、まず代わりの人に入ってもらいます。カメラチェックをし、役のイメージを伝えることで自分の中でも芝居を積み上げることができるので、あとで自分が入った時もスムーズに進められることが多いです。編集も自分で行うので、気になるところは切っちゃって、いいところだけ使うこともできます」
取材・文/平尾嘉浩

