• 映画TOP
  • 映画ニュース・読みもの
  • ケイト・ブランシェット「ゼルナー兄弟はとてもユニーク!」映画『アルファ・ギャング』への参加を満面の笑みで振り返る
ケイト・ブランシェット「ゼルナー兄弟はとてもユニーク!」映画『アルファ・ギャング』への参加を満面の笑みで振り返る

ケイト・ブランシェット「ゼルナー兄弟はとてもユニーク!」映画『アルファ・ギャング』への参加を満面の笑みで振り返る

リンクをコピー

開催中の第39回東京国際映画祭(TIFF)にて10月30日、映画『アルファ・ギャング』のアジアン・プレミアが行われ、トークショーにデヴィッド・ゼルナー(監督/脚本/プロデューサー/編集)、ネイサン・ゼルナー(監督/プロデューサー/編集)、ケイト・ブランシェット(俳優/プロデューサー)が登場した。

【写真を見る】映画『アルファ・ギャング』の撮影を振り返り「とても暑かったけど、楽しかった!」と笑顔を見せたケイト・ブランシェット
【写真を見る】映画『アルファ・ギャング』の撮影を振り返り「とても暑かったけど、楽しかった!」と笑顔を見せたケイト・ブランシェット

『サスカッチ・サンセット』(24)のゼルナー兄弟による最新作は、レア・セドゥ、クリス・パイン、ペ・ドゥナら豪華スターが競演し、ケイト・ブランシェットがプロデューサーを務めるとともに出演。テルライド映画祭、トロント国際映画祭で上映された注目作では、地球を征服する任務を帯びて送り込まれた宇宙人侵略者たちの集団”アルファ・ギャング”が人間の姿に化け、1950年代のレザーバイカー風の黒い衣装をまとった彼らは、武装して危険、容赦なく敵をせん滅する。しかし、人間が持つ最も有害で伝染力の強い病気、“感情”に感染してしまったとき、彼らのなかで変化が起こる…という物語が展開する。

映画『アルファ・ギャング』への参加経緯を振り返ったケイト・ブランシェット(俳優/プロデューサー)
映画『アルファ・ギャング』への参加経緯を振り返ったケイト・ブランシェット(俳優/プロデューサー)

企画の経緯についてデヴィッドは「このプロジェクトをネイサンと随分長い間考えていました」と振り返り、「一番最初に参加してくれることが決まったのがケイトさん。私たちが彼女が大好きですし、俳優さんとしてだけではなく、プロデューサーとして参加していただくことをとてもうれしく思っていましたし、非常に光栄だと感じていました」と感謝。ブランシェットは「クレジットをご覧になったら分かると思いますが、プロデューサーの名前が1人ではなく、たくさんの名前が上がっていたと思います」と上映後の観客に伝え、「おそらくですが、これからのインディー映画の作り方というのは、だんだんこういう形になってくるんだと思っています」と語る。「せっかくいいアイデアがあるのなら、この瞬間を失いたくない、それを実現したいということで、たくさんの方がプロデューサーに名を連ねてこの作品を作っています」と続けたブランシェットは、「この形は、おそらくこれから先も続くものになるでしょう」と今後のインディー映画のあり方にも触れていた。

デヴィッド・ゼルナー(監督/脚本/プロデューサー/編集)
デヴィッド・ゼルナー(監督/脚本/プロデューサー/編集)

また「プロデューサーの役目として、資金を集めるのも大事なことですが、それだけれはありません」と話したブランシェットは「実際には、プリプロダクションがあり、撮影が始まり、ポストプロダクションがあります。最終的に映画がリリースされるまでに、フィルムメーカーの方が妥協しないで映画を作ることができるのを見届けることも、プロデューサーの役目です。アイデアが実現には、プロデューサーの力が必要。そしてアイデアを失わないためにも、たくさんの方が関わっています」とひとつの作品が出来上がるまでの流れと、それに伴うプロデューサーの役割についても解説した。

ネイサン・ゼルナー(監督/プロデューサー/編集)
ネイサン・ゼルナー(監督/プロデューサー/編集)

「インディーの映画を作るのは容易なことではありません」と話したネイサンは「たくさんの方のサポートが必要なのですが、やっぱりケイトさんのような方がその活動をリードしてくださることはとても力強いことだと思っています」とし、「映画祭などでたくさんの方にお会いする。人と会うことにより、多くの方に参加していただくことができる。ケイトさんが参加してくださったことは本当にラッキーなことでした」と笑顔を見せていた。

本作を2026年に発表することの意味を問われると、笑いながら考え込んだデヴィッドとネイサン。するとブランシェットが「世の中が本当にクレイジーになっているので、この瞬間がまさにドキュメンタリーのように感じると思います!」と笑い飛ばす場面も。「人間というのはとても複雑な生き物です」と話したネイサンは「私たちは映画のなかで人間の複雑性というものをたくさん探求したいと思っています。それをやる上で、エイリアンサイドから見た人間を描くことで、少しの客観性が担保されると思っています。エイリアンが人間の世界に来て、感情を持ち得ることにより、人間とのつながりができるわけですが、やはり、人間というものは破壊的なところもあるので、少しその矛盾が生まれるといったところを描いています」と説明。

アジアン・プレミアの開催を喜んでいた
アジアン・プレミアの開催を喜んでいた

「感情はあたかも病気であるかのように扱われているのですが…」と続けたネイサンは「私たちの住んでいる世の中というのはおそらくですが、ソーシャルメディアやインターネットがあることにより、いままで以上に人がつながっているにもかかわらず、もう一方ではおそろしいぐらいの孤独感というものがあると言えます。そういうなかで、本当にオンライン上の自分がどういうもので、また本当の自分がどういうものであるのか。その2つの間には常に矛盾、対立というものがあると思うんです。そこでエイリアンが誕生してその感情があることがあたかも弱みになるように描かれるかもしれないけれど、実際はやはり人間であるがゆえにそれは強みでもある。そういったことがこのストーリーのなかで描かれています」と、作品にある風刺的な部分について触れつつ、映画で描きたかったことについても丁寧に説明していた。

本作への参加がどのような体験だったのかとの質問に「彼らは非常にユニークです。私はこの映画のトーンがとても好きなので、一緒に仕事をすることがとても楽しかったです。一番好きな理由の一つとしては、監督としてなにか指示するのではなく、自分たちがまさに映画のなかに入ってしまうというところ。そこがとても気に入っているところです」とゼルナー兄弟の好きなところを伝えたブランシェットは撮影を振り返り、「気候変動のおかげで、ブダペストでの撮影はとにかく暑くて。汗だくになりながら撮影をしたのですが、撮影自体は本当に楽しいものでした」と、暑さのなかでも楽しさを感じていたと微笑んでいた。

ケイト・ブランシェットはプロデューサーの役割、かかわり方について説明
ケイト・ブランシェットはプロデューサーの役割、かかわり方について説明

第39回東京国際映画祭(TIFF)は、日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区を中心に10月26日から11月4日(水)まで開催。合計204本の映画が上映される。


取材・文/タナカシノブ

「第39回東京国際映画祭」特集
作品情報へ