日活ロマンポルノ55周年!金子修介監督とかとうみゆきが語る『ラスト・キャバレー』ヒロイン抜てきの舞台裏

日活ロマンポルノ55周年!金子修介監督とかとうみゆきが語る『ラスト・キャバレー』ヒロイン抜てきの舞台裏

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第39回東京国際映画祭を開催中のTOHOシネマズ シャンテで10月31日、日本映画クラシックス部門「日活ロマンポルノ55周年記念上映」が行われ、『ラスト・キャバレー』(88)のトークショーに金子修介監督とかとうみゆきが出席した。

第39回東京国際映画祭で『ラスト・キャバレー』のトークショーが行われた
第39回東京国際映画祭で『ラスト・キャバレー』のトークショーが行われた

日活ロマンポルノ第一弾となる『団地妻 昼下りの情事』(西村昭五郎監督/白川和子主演)と、『色暦大奥秘話』(林功監督/小川節子主演)が公開されてから、今年の11月で55周年を迎えることを記念して、「ロマンポルノ55周年記念プロジェクト」が始動。第39回東京国際映画祭の日本映画クラシックス部門にて、「日活ロマンポルノ55周年記念上映」が行われている。

金子修介監督、「新しいものを観ているような感じがしました」
金子修介監督、「新しいものを観ているような感じがしました」

金子監督がロマンポルノ終焉期に手がけた『ラスト・キャバレー』は、都市再開発による閉店を目前に控えたキャバレーを舞台に、父と娘の絆や、そこで働く人々それぞれの人生模様を描くロマンス・ストーリー。ヒロインの逢維子をかとうみゆきが演じ、父・信太郎を大地康雄が演じた。

金子監督とかとうは、上映後の会場から大きな拍手で迎えられ、ステージに上がった。金子監督は「38年前のことを思い出して、お話しします」と挨拶。客席で映画を観ていたといい、「ここで『ラスト・キャバレー』を観られるとは思っていなかった。新しいものを観ているような感じがしました」とTOHOシネマズ シャンテで本作を観られたことは新鮮な体験になった様子。かとうは、「38年前に金子修介監督に選んでいただいて、本日の席があります。ありがとうございます」と改めて金子監督に感謝を伝えていた。

かとうみゆき、『ラスト・キャバレー』出演秘話を公開!
かとうみゆき、『ラスト・キャバレー』出演秘話を公開!

当時、父親役の大地は早めに決まったものの、ヒロインの女子高生役がなかなか決まらなかったという。金子監督は「いろいろな人を面接したんですが、どうしても女子高生に見えない。皆さん、大地さんの愛人的な人しかいなかった」とキャスティングに苦戦していたと回想。そうしているうちに、クランクインの1週間前になってしまったと明かす。

切羽詰まったなかで、「ビデオ店で1本のビデオを見つけた」ことが運命の出会いとなった。金子監督は「それに、かとうみゆきさんが出ていた。自分で脚本を書いたもので、40分くらいの高校生のストーリー。サッカー部のマネージャーと選手の絡みのあるビデオ。『この人は、女子高生にしか見えない』と思った。連絡してもらって、事務所に来てもらった。それがクランクインの5日前」だと振り返り、会場を驚かせた。

金子監督は「(かとうは)一人で事務所にやってきた」と笑うと、「自分でマネージメントをしていた」というかとうは、「一人でプロデューサーと監督のところに伺いました」とにっこり。さらに金子監督は「事務所で、4年前のロマンポルノを観てもらって。『こういう映画なんですよ』とお話しした。怪しがっていた」と、かとうのリアクションに触れた。かとう自身は、「当時、ビデオが流行り始めていて。その時のアイドルという感じだったんです。ビデオの会社からは、『いまさらロマンポルノなんて出るな』と言われた。私はあまりロマンポルノのことを存じ上げていなかったので、怪しいということもよくわからなかった」のだとか。「当時グラビアを撮っていただいていたカメラマンから、『金子修介監督だったら、絶対に出た方がいい!』と言われて。それでよくわからないまま、お話を聞きに行ったんです」と知人に背中を押されて、足を運んだと話した。ちなみにそこでかとうに観てもらったロマンポルノは、レズものだったとのこと。金子監督は「『ちゃんとストーリーがあるんですね』と言っていた」とかとうの素直な感想を披露して、会場も大笑い。かとうは「いままで観たことのない世界だなという印象。おもしろそうだなと思いました」と声を弾ませていた。

クランクイン直前に、面接をしたという
クランクイン直前に、面接をしたという

ロマンポルノに興味を引かれたかとうは、『ラスト・キャバレー』の脚本を読み、いくつかのシーンについて金子監督に質問をしたのち、「じゃあ、受けます!」とオファーを承諾。金子監督が「ひとりでプロデューサーとギャラ交渉をしていた」とかねこの奮闘ぶりを口にすると、司会が「どれくらいのギャラだったのか、聞いていいですか?会社員の初任給くらい…?」と質問するひと幕もあった。かとうは、「すごく高くはなかったですが、すごく低くもなかったと思います。当時の相場で、会社員の何倍…?とかですかね」と笑顔で応じていた。

当時の日活ロマンポルノでは、10分に1回くらいはラブシーンやヌードシーンが登場するというのが定番だったという。かとうは「当時、私は宇宙企画というアダルトビデオの走りとなる作品に、何本か出演していたんですね。ある程度、そういうシーンには慣れていた。おびえなどは、まったくありませんでした」と告白。金子監督は「非常に新鮮で、かわいらしかった。堂々としているなと思っていました」とその俳優力を称えていた。「21歳と22歳の間で撮影をしていた」というかとうだが、「今年の4月に父が亡くなったんですが、もう母も他界していまして。(『ラスト・キャバレー』の公開された)88年当時、両親がそろって映画を観に来てくれた」ことも大切な思い出になっている様子だ。

笑顔を弾けさせた
笑顔を弾けさせた

本作が公開された1988年、日活ロマンポルノは制作を終了した。本作は、閉店する昔ながらのキャバレーと、ロマンポルノの終焉をなぞらえた作品でもある。『ラスト・キャバレー』への出演後について話が及ぶと、かとうは「ピンク映画に1本出まして、Vシネにも何本か出演しました。あとは心理学を20代で学び始め、カウンセリングをやったり。海外旅行が好きなので、外国でバーを始めたり」と多方面で活動してきたと吐露。「好奇心が旺盛で、なんでもチャレンジしたいタイプ。『いまからロマンポルノみたいなものは、どうかな?』と思ったりもする。ポロンと出なければいいかなと。それくらいの気持ちはあります」と意欲をのぞかせた。金子監督は「ロマンポルノが続いていたら、間違いなくロマンポルノアイドルになったでしょう」と太鼓判を押していた。

【写真を見る】かとうみゆき、凛とした黒地紬にピンクが映える、華やかな着物姿で登場!
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後に平成「ガメラ」3部作を手がけたことでも知られる金子監督。司会から「ロマンポルノと『ガメラ』、どちらが楽しいですか?」と尋ねられると、「『ガメラ』の方が楽しい」と率直に答え、会場から拍手と笑いが起こるなど、終始、和やかな雰囲気に包まれたこの日のイベント。最後にかとうは「久しぶりにこういうところに立たせていただいた。今日は楽しもうと思ってまいりました。いま、すごく楽しいです!」と笑顔を見せ、金子監督も「みゆきちゃんと楽しくおしゃべりができて、よかったです」と目を細めていた。


取材・文/成田おり枝

「第39回東京国際映画祭」特集


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