新生DCユニバース最新作『クレイフェイス』と、快進撃つづく『You Can See Everything』が北米で激突!ライカの新作ダークファンタジーも初登場
先週末(10月23日から10月25日まで)の北米興収ランキングは、DCコミックの「バットマン」に登場する悪役“クレイフェイス”の誕生を描いた新生DCユニバース最新作『クレイフェイス』(日本公開中)が初登場でNo. 1を獲得。3458館で公開を迎え、初日から3日間の興収は2400万2731ドル。事前の予測では3000万ドル前後になるといわれていたが、それをわずかに下回る結果になった。
新生DCユニバースは、第1作にあたる『スーパーマン』(25)がオープニング興収1億2500万ドルというロケットスタートを飾り、最終的には北米興収3億5000万ドル超、全世界6億ドルと、2025年を代表するヒット作の一本となったわけだが、制作費が2億2500万ドルという破格のため収支的にはあまりふるわず。続く『スーパーガール』(26)が北米興収7200万ドル、全世界1億2600万ドルと、1億7000万ドル以上といわれる制作費に届かない結果に。
なかなか苦戦続きではあるが、今回の『クレイフェイス』はそれらと比べるとかなり制作費が安く、3000万ドルから4500万ドル前後といわれている。全世界興収では早々に5000万ドルを超えているので、額面上はすでに突破。しかも批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は77%、観客からのそれは94%と高め。DCの“悪役オリジン映画”という点で共通している『ジョーカー』(19)がそれぞれ68%と89%だったので、それを上回る高評価を得ており、ユニバースを軌道に乗せるだけのポテンシャルはありそうだ。
そんな『クレイフェイス』を追い詰めたのが、前週に引き続き2位をキープしたA24のドキュメンタリー映画『You Can See Everything』。前週から上映館数を1800館増やし、2655館の拡大公開に踏み切る策は大成功。前週比125%の興収1950万ドルを記録し、累計興収は週末時点で4514万ドルを突破。異例のヒット継続中のなか、次週末からはさらに上映館数が増加予定。3週目に首位奪取を果たす可能性も高い。
注目は3位に初登場を果たした、ストップモーションアニメスタジオのライカの最新作『ワイルドウッド』。初日から3日間で興収1227万3561ドルを記録しており、同じトラヴィス・ナイト監督が手掛けた『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(16)とほぼ同水準。これまでのライカの興収傾向を考えれば5000万ドル前後で着地することになると推測できる。とはいえ制作費が非常に高く、なかなか黒字回収できないのがライカ作品のいつもの悩み。今作も1億ドルが費やされており、その点では厳しい戦いとなる。
しかしながら「ロッテン・トマト」での批評家からの好意的評価は99%で、観客からのそれも97%と抜群。これまで発表した長編5作すべてがアカデミー賞の長編アニメ映画賞にノミネートされているライカ。その記録を更新することはほぼ確実といわれており、現時点で同賞の受賞最有力と目される『トイ・ストーリー5』を逆転してもおかしくないとの声も。先日、第39回東京国際映画祭で特別上映として日本初上映を迎えた『ワイルドウッド』。日本公開の知らせを楽しみに待ちたい。
文/久保田 和馬
