ジェシカ・チャステイン主演『アザー・マミー』が北米No. 1スタート!ブラムハウス本格復活の兆しも、気になる作品評価は?
先週末(10月9日から10月11日まで)の北米興収ランキングは、ジェイソン・ブラム率いるブラムハウス・プロダクションズとジェームズ・ワン率いるアトミック・モンスターが製作を務めた『アザー・マミー』(11月20日日本公開)が初登場でNo.1を獲得。例年通り“ホラーが強い”10月らしい結果ではあるが、本作で主演を務めたのはジェシカ・チャステイン。前週の『ヴェリティ/真実』(11月6日日本公開)につづいてオスカー女優の主演作が1位を飾ったことになる。
3365館で公開された『アザー・マミー』の初日から3日間の興収は2780万5825ドル。本作と同様ブラムハウス&アトミック・モンスター製作のもと、8月に公開された『Insidious: Out of the Further』のオープニング興収が2510万ドルだったので、それを上回ることに成功。海外を含めた全世界興収では早々に5000万ドルを突破しており、2000万ドル前後といわれている制作費の回収も問題なさそうだ。
今年の初夏に公開された『オブセッション 災愛』(26)がスタジオ史上最大のヒットを記録したブラムハウス。2024年頃から長いこと興行的な不調が目立ち、劇場公開を見送って配信リリースとなる作品も増えていたが、ここにきて本格的に復調気配。特に先述の『Insidious: Out of the Further』は既存の人気フランチャイズの続編という立ち位置だったが、小説原作の非続編作品で、かつブラムハウスの看板のひとつである新鋭監督の作品で興行的成功を収めたことは大きい。
ちなみにメガホンをとったロブ・サヴェッジ監督は、これが長編第5作。ブラムハウスとのタッグは『DASHCAM ダッシュカム』(21)以来2作目となる。もちろん、プロデューサーとしてプロジェクトの先頭に立ったワンも、A24と共同で手掛けた『バックルームズ』(日本公開中)が世界的に成功を収めたばかり。ブラムとワンが勢いづいたとなれば、ホラージャンルはますます活況となるに違いない。
とはいえ気になるのは作品評価。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、『アザー・マミー』に対する批評家からの好意的評価の割合はわずか16%。これはワンの製作作品としては(製作総指揮だった『ソウ5』と『ソウ ザ・ファイナル3D』の方が低かったが)『ナイトスイム』(24)の19%を下回りワーストを更新。一人二役で怪演を披露したチャステインは、たちまちラジー賞の最有力候補に躍りでてしまったようだ。
興行と批評の両面で苦戦傾向にあるのは、5位に初登場を果たした『The Social Reckoning』。デヴィッド・フィンチャー監督がFacebook創設者のマーク・ザッカーバーグを描いた『ソーシャル・ネットワーク』(10)の続編だが、監督は前作の脚本家アーロン・ソーキンへ交代。肝心のザッカーバーグ役もジェレミー・ストロングに交代し、主人公は『ANORA アノーラ』(24)でオスカーに輝いたマイキー・マディソン。彼女が演じるフランシス・ハウゲンの内部告発から始まった2021年の情報漏洩事件を描く物語となっている。
初日から3日間の興収は501万8263ドルと、前作のオープニングと比較すると4分の1程度。制作費はほぼ同等なので、まだまだ損益分岐点は遠い。なにより前作はアカデミー賞で最後の最後まで作品賞の対抗候補であり続けたが、今作は批評家の評価が極めて平凡。公開時期的には賞レース参戦を見越していたと想定できるが、戦線離脱もやむなしといったところだろう。
文/久保田 和馬
