『RYUJI 竜二』柳楽優弥×JUNON、役柄とリンクする関係性で兄弟分を体現「柳楽さんのような人間になりたい」
「今回の『RYUJI 竜二』にはJUNONくんが歌う『メロディー』がピッタリだと思った」(柳楽)
――JUNONさんは、先ほどの「メロディー」を自分がカバーするという話を最初に聞いた時はどう思われました?
JUNON「すごくビックリしたし、怖かったですね。大先輩の楽曲ですし、映画の世界観をあの名曲と重ね合わせながらちゃんと表現しきれるのか?というところですごい緊張感とプレッシャーがあったんですけど、アーティストとして参加させていただいているからには、そこはしっかりやりたいと思って臨みました」
柳楽「ほんとに綺麗な歌声でしたよ。一緒に撮影していたキャストが主題歌やエンディングテーマのカバー歌うのは初めてだったから、頑張ってねっていう応援するファン側の気持ちにもなっていて。実際に映画で観た時には今回の『RYUJI 竜二』には彼が歌う『メロディー』がピッタリだと思ったし、仲間意識みたいなものがより深まって、なんかうれしかったですね」
JUNON「ありがとうございます。僕も完成した映画を初めて観た時に大丈夫かな?ってけっこう不安だったんですけど、気づいたら涙が流れていて。竜二のラストの画にいい感じで当ててくださっていたのですごく感動しました」
「普遍的なテーマを扱ったヒューマンドラマになっているなと思います」(柳楽)
――劇中には感情的なやり取りをするシーンもかなりありましたが、事前に作っていったものではなく、その時に芽生えた感情を爆発させるような瞬間もありましたか?
JUNON「僕の場合それは、竜二との約束を破って“ある人物”に会いに行くクライマックスの一連ですね。自分のなかではあそこがけっこう山場で。緊張もしましたし、気合を入れて臨んだシーンだったんですけど、自分が想像して作り上げた感情では計り知れないぐらい現場の情報量が多くて。演じながら膨れ上がる感情や必要なものが見えてきたから難しかったんですが、あのシーンを通して自分も成長できたし、とても勉強になりました」
柳楽「僕もそこですね。やっぱりすごく大切なシーンですから、監督とも話し合ったし、みんなで『いいシーンにしよう!』って言いながら同じところを目指して。その空気も含めて、描かれるべきものがしっかり表現されていたからすごく印象に残っています」
――ちなみに、お2人がカッコいいと思うのはどんな人ですか?
柳楽「ええ、カッコいいってなんなんだろう?見た目の渋さだけではないような気がするし、やっぱり精神年齢が成熟した人についていきたくなるのはあるかもしれないですね」
JUNON「どういう人なんですかね?考えたこともなかったし、カッコいいって思った時がカッコよかったりしますから(笑)」
――幼少期のころでもいいのですが、カッコいいなと思って憧れたような人はいなかったですか?
JUNON「子どものころ?うーん、逆にアーティストになってからで言うと、やっぱりマイケル(・ジャクソン)かな。前からずっと思っていましたけど、今年公開された彼の映画を観て、改めてカッコいいなと思いました」
柳楽「あーマイケル!やっぱりカッコいいんだね」
JUNON「はい。でもそれは、マイケルのそれまでの苦労や成功といったいろいろな情報を知っているから思うこと。決して見た目がカッコいいからということだけではなく、マイケルが歩んできたストーリーがあるからカッコよく映るんですよね」
柳楽「僕は好きな俳優はいましたけど、ヒーローのような存在までにはならなくて。ブラッド・ピットのようなレジェンド俳優も、もはや『普通に好き』という感じだし…それこそ自分が模範にしてきた人は、16年ぐらい通っている合気道の先生かもしれない。実生活ではやっぱり俳優より、そういう身近な人のほうが“メンター”と呼べるかもしれないです。学ぶことも多いような気がしますね」
――それでは今作の竜二の生き様についてはどんな感想を持たれました?
JUNON「そうですね。ヤクザという肩書きは置いておいて、竜二は自分の大切なもの、愛する者を守ることを真っ先に考えて、すぐに行動に移せる人。そういう男らしいところにやっぱり憧れるし、カッコいいなと思います」
柳楽「竜二は自分で人生の選択をしてきたのではなく、意識が他者に向いているような気がします。だから、肝心なことはなかなか決められない。そんな矛盾を抱えた精神構造は現代の人たちにも通じる、普遍的なものだと僕は思っていて。オリジナルの『竜二』はバブル前の新宿が舞台ですけど、あの作品を観た時に、ヤクザの世界に身を置く竜二は自分の迷いみたいなものを正そうとするけど、なにが正しいのかわからなくて、もがいているように見えたんです。本作の竜二もそこは似ていると思いました。AI革命なども始まり、歪みや変化が起きたこの時代で、彼はたぶん“自分は時代に追いつけているんだろうか?”“どういう生き方をするのが正しいんだろう?”という自問自答をしていたんじゃないかな。僕もまだいまの時代におけるこの作品の存在意義がどこにあるのかわからなくて、探しているところですが、いまの時代には人情に生きている人たちが必要なのかなと思ったし、意外と普遍的なテーマを扱ったヒューマンドラマになっているなと思います」
取材・文/イソガイマサト
