二階堂ふみ、子役たちとの共演で「私はもう大人なんだ」と自覚したことを明かす 『わたしの知らない子どもたち』初日舞台挨拶
トロント国際映画祭で日本映画初のオープニング作品に選出されるなど、多方面から注目されている映画『わたしの知らない子どもたち』。その初日舞台挨拶が10月16日、都内にて行われ、小八重葵美、二階堂ふみ、羽山由一郎、小林丞之介、渋谷そらじらキャスト陣と西川美和監督が登壇。公開を迎えた率直な感想や、撮影時の思い出深いエピソードなどを話した。
『永い言い訳』(16)、『すばらしき世界』(21)の西川美和監督が原案・脚本・監督を務め、オーディションで約500人の中から選ばれた新人・小八重葵美と、国際的にも活躍する二階堂ふみをW主演に迎えたオリジナル作である『わたしの知らない子どもたち』。戦争で家も家族も失い居場所をなくした12歳の琴子(小八重)は、生き延びるために“少女”であることを棄て、少年として生きるという道を選ぶ。一方、軍国主義教育のもと、教師として琴子に教える側だった曽根(二階堂)は、敗戦とともに生徒を棄て、恋人も、立場も、信念も、そして、女性としての尊厳もすべてを失っていく。
舞台挨拶には、小八重、二階堂とともに、戦後の子どもたちを演じたキャスト陣(羽山、小林、渋谷)も集合。初日を迎えた感想を聞かれた小八重は緊張のあまり、話す内容を忘れたとつぶやき、笑いを誘う。「こうして無事に初日を迎えられて嬉しいです。やっといろんな人たちに観てもらえると思うとすごく嬉しいし…、話す内容を忘れちゃいました。平日なのに、こんなにたくさんの方に観に来ていただけて、本当に嬉しいです」
二階堂も、公開を迎えた喜びを噛み締めつつ「初めて西川監督からこの作品のお話をうかがったときから、そして台本をいただいたときから、ずっと多くの方に届けたいなと思っていた作品でした。トロント国際映画祭には私も行かせていただいたんですけど、日本でこうやって、お客様にお顔を合わせるのは初めてなので、皆様が温かく迎えてくださったことがすごく嬉しいです」と笑顔を浮かべる。
西川監督は、キャストたちと会うのは6月の初号試写以来だったそう。「子役の皆さんに会うのは久しぶりなんですよ。6月の初号試写で再会して以来なんですけど、皆、どんどん大きくなって。去年、8月くらいまで撮影をしていたんですけど、子どもたちはほとんど長い芝居の経験がなかったので、どうやってお芝居をするのか?戦時中のお話をどうやって理解して演じるのか?毎週末集まって、皆で映画を観たりして勉強しながらやったんですけど、最初の頃はなかなか仲良しになれなくて…。ほとんど口をきかない状況から始まって、だんだん仲良しになって、たまには喧嘩もして、このチームで支え合いながら撮影を乗り越えられたことを思い出して、いまはもう、ただただ嬉しく、まさに感無量です」と、さらに大きく成長した子役たちの姿に感動したことを語った。
今回登壇したキャスト以外にも、本作には役所広司、岡田准一ら豪華キャストが大勢出演。子役たちとの交流が描かれるが、小八重は岡田とのやり取りが印象に残っていたようで、「ウナギを食べるシーンで、岡田さんに“カメラに映っていないところでもお芝居をすると、気持ちが乗りやすくなるよ”と教えてもらったのが、すごく勉強になりました。あと、休憩中に岡田さんがフュージョンを教えてくれて。それを皆でやったことも思い出です」と明かした。
イベントの後半では、子役たちの質問に二階堂と西川監督が答えるフリップトークのコーナーに。小八重からの質問は「人生に影響を与えた役・作品を教えて」といったもので、これに対して二階堂は、まさにこの『わたしの知らない子どもたち』がそうだと答える。「私にとって今回の作品は、改めて自分の人生に、非常に大きな影響を与えてくれたといいますか。今回の題材は“子ども対大人”というのもあって、私も初めての映画の現場は、葵美ちゃんと同じくらいの年で。現場でいちばん若い立場、いちばん新人、ルーキーの立場だったんですけど、今回、葵美ちゃんたちとごいっしょして、“私はもう大人なんだ”と、大人の自覚を強く持つことができたので、そういった意味でも、今の自分の在り方や考え方に対して、すごく大きな影響を与えてくれた作品ですね」
これを受けて小八重も、「どの世代の人でも観れて、見てくれた人の考え方を変えることもできる。そんな映画を西川監督が作ってくださって。この作品に関われて本当に良かったと思うし、これからももっとたくさんの方に観ていただけると思うと、本当に嬉しくて、感想を聞かせていただけるのが今から楽しみです!」と話し、大盛況のうちに舞台挨拶は終了した。
取材・文/ソムタム田井
