「第一印象は変な映画!」「いつ爆発するかわからない心理的恐怖」吉田恵輔監督が人間の業をあぶり出す『mentor』を観た映画ファンによる感情カオス体験をレポート!
「まだこんな顔を隠し持っていたか」磯村勇斗の葛藤から末澤誠也の覚醒、綾野剛の静かな狂気まで!火花散る怪演合戦
過去の事件によって歪な絆で結ばれた龍之介、拓海、埜本。この3人を演じた磯村、末澤、綾野らキャスト陣の圧巻の演技合戦も観客の記憶に強く刻まれた。例えば、龍之介は彼なりに過去と折り合いをつけ、アーチェリー競技と出会ったことで夢に向かって突き進んでいる。それだけに拓海も埜本も邪魔な存在でしかないのだが、彼にもまた押し殺してきた感情があることが見え隠れする。
「過去に囚われないようにしようと必死に感情を殺そうとしているが、微妙な心の揺らぎや感情の起伏が時々出てしまう姿を上手く演じられていてすごくよかった」(50代・男性)
「拓海から埜本に会ってほしいと言われて、まったく乗り気ではないのに適当に話を合わせる様子など、細やかな表情や仕草で心の動きが伝わってきてすばらしかった」(40代・女性)
拓海は良くも悪くも素直。埜本と再会する以前の彼は常にうつむき、伸ばしっぱなしの前髪で顔を隠している。ところが、埜本を自身の“メンター”と仰いでからは、その言葉一つひとつを吸収し、彼のような人格者に近づけるようにと邁進していく。一方で、少しでも否定的な言葉を投げかけられると、それが拓海を想っての言葉だとしても、自身が拒絶されたと感じ、必死に謝ってすがりつこうとする。
「末澤さんの表現力に驚いた。特に謝罪をすることに酔い始めたころの拓海の常軌を逸した様子は本当に心配で、親の気持ちでハラハラと目で追ってしまった」(40代・女性)
「“罪悪感に苛まれている自分”を被害者が優しく受け入れてくれた成功体験からそれをアイデンティティとして昇華しようと奮闘する拓海の姿が本当に滑稽で恐ろしかったです」(20代・女性)
「自分自身を許容するための偽善と、他人を許容するための偽善との差が様々な場面での表情や行動、空気感から伝わってきて印象に残った」(10代・女性)
そして、なんといっても埜本。あれだけの経験をしながら、どうして憎しみを乗り越えられたのか?拓海や龍之介に向ける優しさは本心からなのか?彼が2人に対して親身になるほど、その人間力の高さに感心すると共に、様々な疑念が湧いてくる。そんな複雑なキャラクターを綾野が見事に演じ切っていた。
「最初は一番理解できない不気味さがありながらも話が進むにつれ、実は一番人間らしく、共感できるキャラクターになりました。綾野剛さんの演技はやはり真に迫るものがあり、作品全体の緊張感を上げていたように思います」(20代・女性)
「埜本が2人の少年を労り、心配して赦す言葉はどうしたって嘘っぽく裏があるように聞こえてしまう。そんな状況で、彼の言葉がいっさい違和感なく感じられて圧巻だった」(40代・女性)
「綾野剛…!まだこんな見たことない顔を隠し持ってたかと度肝を抜かれました。きちんと主演のお2人も引き立てていてすごい役者さんだなと改めて、さらに好きになってしまいました」(30代・女性)

