コミックス・ウェーブ・フィルムが韓国アニメ『縁の手紙』を配給した理由を担当者に直撃!「新海誠作品の影響が画に表れていた」
「“映画館で観る価値がある”と思える作品を日本のみなさんに紹介したい」
海外作品の配給第1弾として本作を日本の観客に届けるCWF。今後の海外展開など具体的な事業プランはあるのだろうか?
「基本姿勢はこれからも変わりません。年間何本配給するといった具体的な事業計画があるわけではありませんが、“映画館の大スクリーンで観る価値がある”と心から思える素晴らしい作品があれば、国や地域を問わず日本のみなさんに紹介していきたいです。CWFにはもともと、新海監督の『ほしのこえ』をはじめ、新しい才能を世に送りだしてきた歴史があります。本作のキム・ヨンファン監督をはじめ、今後も海外のフレッシュな才能と出会い、彼らの作品を日本に届けるサポートができればと思っています。さらに言えば、企画段階から一緒にアイデアを出し合い、作品作りそのものを共にしていくような機会があれば、よりおもしろくなるんじゃないかと楽しみでもあります」。
「日本のアニメ文化と異国の風情が絶妙に融合した『縁の手紙』」
現在、CWFでは新海監督の故郷である長野県佐久市に、映画館を2027年に開館させるプロジェクトも進めている。地方に映画館を新たに作る意義、大きなスクリーンで作品を観ることの魅力についても語ってもらった。
「現代はスマートフォンやサブスクリプションサービスで、手軽に映像を楽しめる時代です。対して、スケジュールを調整し、映画館まで足を運んで大きなスクリーンで映画を観るという行為は、手間がかかることかもしれません。ですが、暗闇のなかで映像と音響に包まれる体験は、ほかの何物にも代え難い特別なものです。地方にそうした体験ができる場が存在し続けることは非常に意味があると思っています」。
そして、『縁の手紙』も劇場で鑑賞すべき作品であり、映像や音楽にどっぷりと浸ってほしいと角南は語る。「『縁の手紙』は日本のアニメーションに強いリスペクトを持つ韓国の若い監督が、並々ならぬ情熱を傾けて作り上げた作品です。日本のアニメ文化と異国の風情が絶妙に融合しており、どこか懐かしくも新しい映像体験を味わっていただけるはずです。激しいアクションや複雑なストーリー展開の作品が多い現代において、本作は人の温もりやピュアなメッセージをまっすぐに伝えてくれる貴重な映画です。青春の瑞々しさや誰かを想う気持ちは世界共通なんだということを、映画館の大きなスクリーンでゆったりと感じていただけたらと思います」。
取材・文/平尾嘉浩
