インタビュー中も息ぴったり!西畑大吾&福本莉子が明かす、『時給三〇〇円の死神』で築いた信頼とアドリブ裏話
「みんな様々な気持ちを抱えながら生きているんだなって思うと、ちょっと世界にやさしくなれる」(福本)
——佐倉と花森は徐々に関係性が変化していきますが、お2人は最初から自然といまのようなノリだったとも伺っています。
西畑「関西人が多くて、最初から関西弁祭りだったので、読み合わせの時とかイントネーションが関西弁になってしまうことが多くて。『なんかいまの関西やったよな』みたいにツッコミを入れたりすることもよくありましたが、やっぱり現場で関西弁が聞けると、安心感はありますね。福本さんがよく好きな映画の話をしてくれたのですが、ちょうど観たくなるところで話を終えるんです。え?その先は?みたいな。そういう時、やっぱ、話上手いな〜と思っていました」
福本「私がおすすめした映画を撮影中に『観たよ!』って。すごくまめな方だと思ったし、おすすめした映画を実際に観て、感想まで話してくれたことがすごくうれしかったです」
——ちなみに酒井監督とはどのようなお話をして、キャラクターを作り上げたのでしょうか。
西畑「僕は結構『抑えて!』と言われることが多くて。福本さんが演じる花森さんがすばらしくて、感動して涙が自然と出てしまうこともあったんです。このシーンではそこまで泣いちゃダメってことで、『抑えて!』というリクエストはありました」
福本「本読みの時に監督と2人きりで話したことがすごく印象に残っています。現場に入ってからも、花森さんのアドリブなどを動きながら考えたりとか、大事なシーンの前に2人で話す時間をいただけたりとか、すごく親身になってくださる監督でした。役作りをする時って孤独だと思うことが多いのですが、今回は監督がいたことが心強くて。二人三脚と感じるくらいにサポートしてくださったのが印象的でした」
——酒井監督からのコメントに、福本さんには様々な挑戦をしてもらったとありましたが、福本さん自身が挑戦したと感じていることを教えてください。
福本「この役自体がすごく挑戦でした。監督と2人で話した時に、普段の感じがいい、そこになるだけ近づけたいと言われて。でも、セリフを言うとどうしても綺麗になりすぎたり、単調に見えるところもある。そういうところにどう変化をつけていくのかがすごく自分の中で挑戦でした」
——お芝居だけど普段の福本さんに近づけるアプローチ。新鮮ですね。
福本「普通の喋りの感じがいいけれど、小悪魔みたいなかわいさも、シリアスな表現もしなければいけない。そのバランスの取り方みたいなところは、かなり難しかったけれど、新しい挑戦ができてよかったです」
——お2人が本作から受け取ったメッセージ、本作を通して考えたことを教えてください。
西畑「いま生きているこの時間もそうですが、当たり前のように思っているものも当たり前じゃないということ。その儚さやすばらしさのようなものを受け取っていただける作品になっていると思います。愛すべき時間や尊い物事が鮮度や彩度を上げてくれるような。なにごとにも感謝しようと改めて思うようになりました。人に対して大きな愛を、大きな感謝をと心掛けたいと思っています」
福本「誰しも生きているうちは悩みやトラウマ、人には言えない想いがありながらも懸命に生きていると思います。この映画はそういう気持ちがあってもいいと温かく包みこんでくれる、寄り添ってくれる作品だと思いました。この作品を観たらすごくやさしい気持ちになれると思います。人の気持ちって外からは見えないけれど、みんながそういう気持ちを抱えながら生きているんだなって思うと、ちょっと世界にやさしくなれるというか。そういう思いがつながっていくと花森さんが目指している世界平和へとつながるんじゃないかなと思います」
取材・文/タナカシノブ
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