『映画名探偵プリキュア!』本渡楓×東山奈央インタビュー!絵コンテと戦う(!?)みくるの感情と、キュアアルカナ“白黒”演じ分け
「シャドウに起きることを体験した前提で、映画のキュアアルカナを先に演じなければいけない」(東山)
――みくるとるるかは探偵のプロで、本渡さんと東山さんは声優のプロです。お互いの演技を聞いてプロを感じた部分はどこですか?
本渡「高いところから落ちる時のキュアアルカナの演技を、『どんな音を出すのだろう?キャラを保ちながら、どんなふうにやるのだろう?』と、とても興味津々でした。現場で実際に奈央さんのお芝居を聞いて、『なるほど…!』と思いました!」
東山「合ってた(笑)?」
本渡「もちろんです!私はみくるとして振り幅を持たせて、絵に負けないように『おりゃあ!』って、思いつきのまま遊ぶように演じさせていただいていて。そんな私とは真逆のアプローチが必要となるのが、キュアアルカナという存在と過去の重さです。私なら『難しいな』と悩みそうなので、率直に『すごいな!』毎週感じています」
東山「ありがとうございます。でも実際とても難しいです。キュアアルカナは、表情としては無機質に見えてしまったり淡々としているけど、胸のなかにあるものは熱かったり優しかったりとても一生懸命で、ただその感情表現が小さいだけなんですね。でも『ここで彼女の生き様を出さなかったら、なんのためのお芝居か!』というシーンも要所要所にあって、そういうところでは、お芝居を抑制し過ぎてはダメだし、かと言って出し過ぎてもいけなくて。最終的には肌感覚なのですが、マイク前で『思ったより感情が前に出ちゃったな』とか『思ったより出ていなかった』となることも多々あって、塩梅がとても難しいです。本渡ちゃんも、すごくプロなんですよ。」
本渡「本当ですか!」
東山「よく前に本渡ちゃんが『そんなに準備はしていないんです』と謙遜していたことがあるんですけど、時間をかけて行う準備とは違って、質のいいチェックというんでしょうか。感覚に優れた役者さんであることは間違いなくて、お芝居を聞いていてもそれが伝わってきます。変身バンクは、感情の流れを汲んで毎回違うアプローチを心がけていることが伝わってきます。だからこそキャラクターが生き生きとして、『次はどんなキュアミスティックが観られるのか!』と、みんなワクワクして観ちゃうし聴いちゃうのだと思います」
本渡「ありがとうございます!」
――今作に限らずお仕事をするうえで、心掛けていることや事前にやることはなんですか?
本渡「奈央さんのそれ、知りたいです!」
東山「私は台本を読んで、映像に合わせるために練習するといった基本的なことはどの作品でも同じですが、作品によってプラスアルファが異なります。特に今作での私の立ち位置は特殊で、テレビシリーズでまだキュアアルカナ・シャドウをやっている段階で、映画の収録で先にキュアアルカナをやらなければならなりませんでした。つまりテレビシリーズで今後キュアアルカナ・シャドウに起きることを体験した前提で、映画のキュアアルカナを先に演じなければいけなかったわけです。そうした収録における時空の歪みを、自分のなかでしっかり整理できていなければ、お客さんが観た時にスムーズな流れにならないと思ったので、そこはとても気を配っていましたね」
本渡「それができるというのが、やっぱりプロです」
――キュアアルカナ・シャドウとキュアアルカナでは、お芝居を変えたのですか?
東山「全然違うものになっていると思います。私たちも憂鬱なことが起きていたり重いことを抱えていたりする時は、トーンが暗くズーンとした感じになりますよね。そういう重い荷物を下ろしてキュアアルカナになった時、どうしたって明るさや幸せ感、仲間がいることの心強さみたいなところで、絶対的なテンションの違いは自然と出てくるものです。なので本来は意識しないのですが、今回は敢えて分けようみたいな気持ちがあったかもしれません。というのも、キュアアルカナ・シャドウを長くやっていたので、映画のアフレコでキュアアルカナを演じた時に、『若干黒に引きずられています』と言われ、自分のなかでしっかりと切り替える意識をしなければ、キュアアルカナは難しいということがあったんです」
本渡「映画の収録現場でも、そのオモチャ用に録った声を何度も聴き直しながらやられていて、とても丁寧に作られていたのが印象的でした」
東山「自分では白になりきったつもりでいても、オモチャの声を聞いたらもっと明るくて、『もっと頑張らなきゃ!』って」
