強烈ボディホラー『サブスタンス』コラリー・ファルジャ監督の原点…まさかの方法で美貌を手に入れる短編SF『リアリティ・プラス』
グロテスクな描写満載の強烈なボディホラーながら、アカデミー賞をはじめとする賞レースを沸かせ、映画ファンの間で大きな話題を集めた『サブスタンス』(24)。この傑作を手掛けたコラリー・ファルジャ監督による2014年の短編『リアリティ・プラス』が10月23日(金)から公開される。
理想の自分になれる!電脳整形サービス『リアリティ・プラス』
本作は近未来のパリを舞台に、12時間だけ自分の理想の姿になれるチップを埋め込んだ男性が、見せかけの美しさに翻弄され、自分を見失いそうになるというSFロマンス。
自分の容姿に自信が持てない青年ヴァンサンは、首元に埋め込まれたチップによって、自分の理想の容姿を見せてくれるデジタルテクノロジーサービス「リアリティ・プラス」の手術を受ける。自分だけでなく周囲のユーザーとも互いの理想の姿を見せ合うことができ、ヴァンサンは同じく「リアリティ・プラス」のユーザーである美女ステラと出会い、互いに加工された者同士の見せかけの恋に落ちていく。
しかし、脳への負担から1日12時間しか作動しないという制限があり、すれ違いを生みだしていく…。そんななか、ヴァンサンは時間制限を解放する違法手術の存在を知る。
美への執着が暴走し…『サブスタンス』との共通点をチェック!
手段こそ違うが、進化したテクノロジーによって“美への執着”を満たす作られた美貌がもたらされる点で、『サブスタンス』のプロトタイプとも言える本作。
再生医療を題材としたボディホラーとしてルッキズムやエイジズムへの警鐘を鳴らし、美と若さを強要される社会に対する女性の復讐を描いた『サブスタンス』。対して『リアリティ・プラス』では外見に伴う他者からの承認欲求といった同様のテーマに、仮想現実を扱うテクノロジーSFとして、結末を含め異なる角度から中指を立てる。
また、望んだ結果を得られる代わりに一定の制約が伴うテクノロジーに対して、より多くを求めて暴走してしまうユーザーという類似性もあり、『サブスタンス』ファンならぜひチェックしておきたい1本だ。
注目の短編がスクリーンで楽しめる「20分シネマ」って?
そんな『リアリティ・プラス』は、ヒューマントラストシネマ渋谷で実施中の「20分シネマ」という企画の1作として、10月23日(金)〜29日(木)まで1週間限定で上映される。
短編動画配信プラットフォームの「SAMANSA」が仕掛ける「20分シネマ」は、15〜25分の短編を、毎月1作品ずつ、6か月連続で上映する新しい試みとして7月から催されており、『リアリティ・プラス』のほかにも、第89回アカデミー賞で短編実写映画賞を受賞したハンガリー映画の『合唱』など注目作がラインナップされている。
なお「SAMANSA」では、世界中から厳選された良質なショート映画をはじめ、有名俳優が監督を務めることでも話題の短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS」の作品も楽しむことができるので、今作をきっかけに短編に興味を持った人は、あわせてチェックしてみてはいかがだろうか?
文/サンクレイオ翼
