写真家・瀧本幹也も賞賛する、手のひらサイズの技術の結集「Osmo Pocket 4P」。DJI12年間の歩みと現在地をひも解く

写真家・瀧本幹也も賞賛する、手のひらサイズの技術の結集「Osmo Pocket 4P」。DJI12年間の歩みと現在地をひも解く

リンクをコピー

手持ち並走も、即興撮影も…ポケットサイズだからこそ実現できる撮影法

Osmo Pocket 4Pは、シリーズ初のワイド20mmと中望遠60mmのデュアルレンズ仕様になっている。「短編映画を撮るときは画角を選びたいんですよ。街を俯瞰したり部屋を広く見せたいときはワイドを使い、人の感情に寄りたい時は思いっきり顔に寄っていく。2つのレンズがあることで、それが叶えられました」という瀧本監督は、セッティングの容易さも魅力だという。「スイッチ1つで切り替わるので、セッティングする時間が大幅に短縮できるんです。虹や入道雲が出たとか、すぐに撮りたい時にすごく有効。待たせる時間がなくなることで、演じる人もストレスがないのはメリットだと思います」。

まるで「不思議の国のアリス」のように、町中を歩き回る公子
まるで「不思議の国のアリス」のように、町中を歩き回る公子

狭く入り組んだ空間でも、コンパクトかつ手振れの少なさで柔軟な撮影が可能
狭く入り組んだ空間でも、コンパクトかつ手振れの少なさで柔軟な撮影が可能

印象的なシーンのひとつが、公子が図書館(石見銀山まちを楽しくするライブラリー)を訪れるくだり。作り付けのトンネル状の本棚が迷路のように並んだ館内で、人探しをする公子の姿はまるで「不思議の国のアリス」。カメラは彼女につかず離れず、書棚の間を移動していく。ジンバルで高い評価を得ているDJIだけに、流れるようなカメラワークに引き込まれる。「図書館で本棚越しに彷徨う公子を動きながら追っていくシーンは、もしレール敷いたらかなり困難だったと思います。撮影の5分ほど前に即興で決めたカットですが、そういう生感を活かした撮影では助かりますね」。

“山田さん”へのお使いを頼まれたが…なかなか会うことができない
“山田さん”へのお使いを頼まれたが…なかなか会うことができない

Osmo Pocket 4Pを持って並走撮影も!
Osmo Pocket 4Pを持って並走撮影も!

公子が探していた赤い帽子の女性を見つけて走りだすシーンでは、動体追尾フォーカス機能が効果を発揮した。瀧本監督は「被写体ロックとオートフォーカスを使い、実際に並走して撮りました。かなり動いたと思うんですが、ジンバル機能が補正してくれてフォーカスもピタッと合っていたので驚きました」と振り返る。メイキングには、レールで移動撮影している途中でOsmo Pocket 4Pをレールから外した瀧本監督が、公子に合わせてそのまま走りだす様子も収められている。Osmo Pocket 4Pの機動力やフォーカス機能なら、躍動する感情をそのまま伝えることができるのだ。

光の明暗、色の再現性もプロ納得のクオリティ

17ストップのダイナミックレンジで実現した、外から差し込む光が美しい室内のカット
17ストップのダイナミックレンジで実現した、外から差し込む光が美しい室内のカット

瀧本監督の真骨頂であり、その美しさに思わず見入ってしまうのが、17ストップのダイナミックレンジが威力を発揮した、淡い光に照らされた室内シーン。照明を使わず、自然光をベースに撮影された。「すごく綺麗な光が入ってきたので、照明は消して外から入ってくる光だけで撮りました。人の肌にすべってくる艶の光が生っぽく、美しく幽玄な光になりました」という瀧本監督。「明るい光が射す外からカフェ店内に入ってくるカット。ハイライトが飛びすぎないとか、暗部が潰れすぎないというところの両方のレンジを使っていますが、明るさのシフトをしなくてもきちんと再現されています。ラスト近くの厨房に入ってくるところもストレスなく再現されていて、色再現性もすごくよかったですね」。

どこを切り取っても絵になる石見銀山の町並み
どこを切り取っても絵になる石見銀山の町並み

撮影後のグレーディングでは、コンパクトなカメラシステムとは思えない情報量を実感したという。「率直な感想としては、普段の大きなカメラで撮っているデータと遜色がなかったですね。少し天気が悪かったので少しだけ空を青空方向に持って行きましたが、きちんとニュートラルな色が出ました。かなり情報量が多いデータを扱ってるという印象ですね」。


瀧本幹也、「遊びにも仕事にも使える万能なカメラ」とOsmo Pocket 4Pを高評価
瀧本幹也、「遊びにも仕事にも使える万能なカメラ」とOsmo Pocket 4Pを高評価

「遊びの延長で撮っていたものが、プロ用途として撮っていけるカメラになっています。Osmo Pocket 4Pを使ったことですごく豊かな作品になりましたし、刺激にもなりました。遊びにも仕事にも使える万能なカメラでした」と『存在の不確かな彼女』の撮影を振り返る瀧本監督。撮影まわりはスマートフォンでまかなうのが当たり前になった今日だが、プロフェッショナルな現場はもちろん、ユーザビリティが高いOsmo Pocket 4Pはファミリームービーやアマチュア制作者にとっても、映像作品を次の段階へと押し上げるきっかけになるだろう。

文/神武団四郎

作品情報へ