國村隼が『ブラック・レイン』の記憶と共に語る、リドリー・スコット監督作『ラスト・サバイバー』の真価「人間の本質を見つめている」
「リドリー・スコットの作品に共通しているのは、人間をきちんと描いていること」
『進撃の巨人』(15)や『シン・ゴジラ』(16)など、日本崩壊に直面するスペクタクルでも存在感ある芝居を見せた國村。非日常世界を描いた作品で心掛けているのはリアルな芝居だという。「状況が破天荒であるほど、その世界をリアルに感じてもらうにはどうすべきかを考えます。このキャラクターならいまの状況をどう受け止め、なにをするのか。それがリアルにつながるんです。僕らの仕事はたとえ歴史的事実を扱っていても、作り手が意図をもって創作したフィクションです。どうしたらリアルに感じてもらえるかは、ジャンルを問わず僕らの仕事の根幹で、常に意識していることですね」。
現在88歳のスコット監督は、いまだ年1本と精力的なペースで新作を発表し続けている。「すごいですね、としか言いようがないですね(笑)。『エイリアン:コヴェナント』や『ナポレオン』、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』など歳を重ねるごとにパワーアップされている気がします。今回の『ラスト・サバイバー』はまた違うトーンの作品ですが、どれも共通しているのは人間をきちんと描いていること。今回も主人公を通して極限状態を追体験し、人間の弱さや醜さを突きつけられました」。
予定調和で終わらない結末にも、らしさを実感したという。「希望を見出していくお話ですが、この過酷な世界はずっと続いていくんです。観終えた時、彼らはこれからどうサバイブするのだろうと一抹の不安も抱きました。単にハッピーエンドで終わらせず、リアリスティックに人間の本質を見つめている。そんなところにも、リドリー・スコットという監督のすごさを思い知らされる作品でした」。
名優・國村隼が“師”と仰ぐリドリー・スコット監督による最高峰のサバイバルSFを、ぜひ劇場の圧倒的な映像と音響で体感してほしい。
取材・文/神武団四郎

