【ネタバレなし】『私はあなたを知らない、』の結末を映画ファンはどう観た?「初めての映画体験」「深く心にしみました」
『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)以来、10年ぶりとなる完全オリジナル脚本で贈る中野量太監督の最新作『私はあなたを知らない、』(8月28日公開)。“家族”をテーマに作品を撮り続けてきた中野監督が、本作では「母を殺した男」と「被害者の娘」という交わるはずのない2人の運命に踏み込み、優しさと残酷さ、ユーモアも交えながら愛に満ちた視点で予測不能な物語を紡いでいく。
日仏共同で製作され、すでにフランスでの配給も決定している本作。坂口健太郎を主演に迎え、早瀬憩、堀田真由、倉田瑛茉、滝藤賢一、原田美枝子ら実力派キャストもそろい、一人の青年が凶行に至ったサスペンスフルなストーリーに深みをもたらしている。MOVIE WALKER PRESSではそんな本作の一般試写会を実施。参加者に配布されたアンケートには、「様々な感情が入り混じる初めての映画体験」(20代・女性)や「物語がどう展開するのかわからず、常に頭をフル回転させていた」(20代・男性)、「殺意があったのか、突発的な行動だったのか…」(50代・女性)といった感想コメントが寄せられた。これらの印象的なコメントをピックアップしながら、大勢の心を揺さぶったその理由に迫っていきたい。
「複数の人物、感情が交錯する」家族同然だった男が母を殺した真相とは?サスペンス的展開から目が離せない!
唯一の肉親であり入院中の祖母(原田)から、幼いころに母、紗月(堀田)を殺した罪で服役している男の存在を聞かされた朝子(早瀬)。その男は半年ほど家族同然の暮らしをし、自身を我が子のようにかわいがってくれたという。やがて祖母が亡くなり、一人ぼっちになった朝子は、その男のことを調べ始める。
その13年前、天涯孤独の西山夕平(坂口)は、手袋工場で働きながら自分のなかで決められたルーティンをこなすだけの日々を送っていた。ある日、職場に新しいパート職員の紗月がやって来る。彼女との出会いで生きる喜びが得られ、毎日が輝いていく夕平。一方、紗月はシングルマザーであり、5歳の娘、朝子(倉田)と暮らしていた。突然、朝子を紹介され、最初は戸惑う夕平だったが、一緒に過ごす時間が増えるにつれてこれまで知らなかった“家族”という幸せの形を知っていく。心を解放し、本当の家族のような温もりを感じる夕平だったが、ある事件が起きてしまう。
一人の少女が、13年前に自身の母親を殺した男に会いに行く。衝撃的事実から物語の幕が開ける本作は、現代パートでは朝子の視点から、過去パートでは夕平の視点を中心に、彼と紗月、朝子との出会いから事件へ至る経緯が描かれていく。幸せだったはずの3人になぜ悲劇が訪れたのか?その真相が徐々に明かされていくサスペンス的な物語構成も本作の特徴だ。「家族ってなんですか?血ですか?手続きですか?という言葉が印象的」(40代・女性)や「夕平は自分が求められているのか試していた」(30代・女性)、「複数の人物、感情が交錯するのがおもしろかった」(30代・女性)など、中野監督がオリジナルで描く脚本の秀逸さ、おもしろさに言及する声も多い。登場人物たちの行動がどんな想いに端を発していたのか、読み解くために細かい言動にまで注目しているようだった。
「夕平は人の裏切りや自分が必要とされなくなったことが耐えられなかった」(40代・女性)
「夕平の言動一つ一つにどんな思いがあったのか考えていた」(20代・女性)
「家族の形を崩さないように努めた紗月と、不器用ながらその形に入ることを求めた夕平とのちょっとしたすれ違いに、家族への想いをひしひしと感じた」(30代・男性)
「夕平と紗月の出会い、恋愛が描かれていて親近感が湧き、ミステリアスな展開に一気に引き込まれた」(40代・男性)

